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なにこの可愛い生き物…
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俺が婚約したことでノアは大号泣し、泣き疲れて眠ってしまった。まさか嫉妬してくれているとは。自惚れるなっ俺っ…
"にたんちゅき"や"ぼくがいちばんしゅき?"にはあまりの可愛さに叫びたくなった。
ノアを抱きしめたまま、寝室で横になる。
可愛いお目目は泣いた跡が残っていた。
悪役令嬢に一目惚れ…することはなさそうだな。
悪役令嬢、、、エリザには事情を話し、なるべくノアの前では会わないようにしよう。
「に……たん……」
ふにゅにゅんな頬を撫でると、ノアは嬉しそうに笑う。夢では俺が出てきているらしい。
こんな殺人鬼みたいな顔でも好かれるんだな…良かった…
ノアとの仲良くなろう作戦は成功した。
ノアが悪役令嬢に一目惚れするのも回避。
残る問題は……ノアの親戚だ。
ノアの親戚…ノアの父親の弟は、男爵家を継げなかったことで、兄(ノアの父親)に嫉妬していた。
詳しいことは本人に聞かなければ分からないが、嫉妬からノアの両親達を暗殺する計画を練っていたらしい。
本当はノアも殺すつもりだったりして…
ありえる…
ノアが叔父に虐待される前に俺の父親が引き取ったことにより、ノアは無事ということかな。
ノアの両親の死因だが、馬車の帰りに崖から落ち即死らしい。馬車に何か細工をされている可能性もあるが、、、証拠もないので分からない。
幸い、幸いなのか?御者は死んでいない。落ちる前に逃げたらしい。きっと御者も奴らとグルであろう。
ノアはまだ両親達が帰ってくると思っている。
そんな子供に、現実を突きつけるのは可哀想だ。
「……うにゃ」
お姫様のお目覚めの時間だ。ノアは俺を見ると、ふにゃりと笑う。その笑顔守りたい…
汗で顔に張り付いた前髪を優しく耳にかけ、ノアの頬にキスを落とした。
天使が嬉しそうに俺の頬にお返しをすると、小さな手でペタペタと俺の顔を触る。
「にたんは、ぼくといっちょ。おててつなぐのも、いっちょなのも、ぼくだけでしゅよ」
「あぁ、ノアだけだ」
なんか浮気しないように彼女から言われているみたいだ。
ノアと約束をすると、満足そうにノアの腹が鳴る。
「おなかちゅきまちた」
「そろそろティータイムの時間だな」
ノアの腹時計は正確らしい。抱っこをして、テラスに出ると、メイドにお茶の準備をしてもらう。
ふわふわなクリーム色の髪が綿あめのように甘く。アホ毛がヒョコリと俺の顔を叩いた。
そのうちノアにも婚約者ができるのだろうか。
複雑だな…
それは兄としてなのか…それとも……
「にたん、おしょらきれいね」
「あぁ、、、」
この気持ちを理解できない俺は、吸い込まれるような青空を眺めた。
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