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孤児7
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***
「ど…どうして……」
悪役令嬢であるエリザは顔面蒼白である。なぜなら目の前に未来で自分を殺すであろう人間がいるのだから。
「どうしているのよぉぉぉおお!!」
頭を抱え、膝から崩れ落ちた幼児。あまりの気迫にノアが号泣寸前である。
「……新しく家の畑仕事を担当することになった、キース、リンカ、トーア、チェリだ。」
「「「「よろしくお願いします」」」」
「……よろしく。一応、この人(ジュード)の婚約者です。」
「にた!こんにゃくっめっ!よ!」
"こんにゃくっめっ!"がよく分からないが、取り敢えず頷いておく。
「あぁ。
一応、こいつ(エリザ)の婚約者だ。」
「……仲悪いんですか?」と、チェリが俺に向かって堂々と聞き、馬鹿野郎とキースがチェリの頭を叩いた。
「まぁ、悪くわない。良くもないが。」
「そうね。利害の一致ってとこかしら。貴族なんてそんなものよ。」
「へぇ…」
「お前達は自由にしていいぞ。ただし、人様に迷惑はかけるなよ。(特にキースは)」
「恋愛なんてしません。俺は主の役に立ちます!」
キース達を拾って数日が経過したが、俺との関係は良好と言えるだろう。フラグは完璧に折ったと言える。
「…無理はするなよ。」
キース達は頭を下げると作業に戻って行った。
「畑仕事って、またあんた変なこと考えてる?」
「人聞きが悪い。俺は未来に備えているだけだ。」
「えっ…、なんかあったっけ…」
「お前、忘れたのか?それか知らないだけか」
「……(ゲームについて)そんな詳しくないわよ。3歳だし…」
「3歳を理由にするな。お前は強くなることだけ考えていればいい。」
「ふんっ!せっかく、人が手伝ってあげようと思ったのにっ」
「無理するなよ。こっちはチートな俺がいるんだ。」
「……あなたばかり頼って悪「にた!あっちいこう?」」
「あぁ」
ノアに引っ張られると、俺はノアを抱っこして庭を歩く。その隣をよちよちとエリザが着いてくる。
「にた、あれたべれましゅ?」
「食える。来週に収穫される。ノアもやるか?」
「あい!にたもいっちょに?」
「俺も一緒だ」
花を周りに撒き散らす俺達に、エリザは「うぇ…甘すぎる」と呟くのであった。
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