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円卓会議1
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少年が黄の国に向かう一週間ほど前。神の塔では、十二国の王が集う緊急円卓会議が開かれていた。
ただし、今回招集を掛けたのは赤の王ではなく、赤、黒、金の王たちからの報告を受けた銀の王である。事態を重く受け止めた銀の王が、十二国のまとめ役として直々に会議の開催を要請したのだ。
その甲斐あってか、今回の円卓会議では既に十一の国が席を埋めている。唯一の空席は、最も出席率の悪い黒の王のものだ。会議の時間が過ぎても空いたままのその席に、青の王は綺麗な目元を吊り上げた。
「ヴェールゴール王は今回の会議の要でしょう! それが不在とはどういうことか!」
拳で机を叩いた彼を、ちょうど向かいに座る赤の王が、まあまあと宥めた。
「ヴェールゴール王にも何か事情があるのやもしれん。ひとまず、ヴェールゴール王が不在でも支障がない話から進められてはいかがだろうか」
「同類の問題児は黙っていて下さい」
ぴしゃりと言い放って睨みつけて来た青の王に、赤の王が苦笑して肩を竦めた。それを見ていた黄の王が、隣に座っている橙の王に耳打ちをする。
「ロステアール王が話し掛けたら機嫌悪くなるに決まってんのに、なんだってああやって煽るようなことするのかねぇ、あの王様は」
「さてなぁ。あいつの考えていることは判らんが、もしかすると青の王をからかって楽しんでいるのかもしれんぞ?」
「またまた~。さすがにあの王様でもそんな遊び方はしないでしょ~」
そう言った黄の王が小声で笑っていると、今度はそちらに青の王の視線が刺さった。
「リィンスタット王、大層楽しそうなご様子でいらっしゃいますが、何か良いことでもおありで?」
「げぇ、こっちに飛び火した……。いやいやなんでもないっすよぉ。ちょっとこのおっさん、じゃなかった、テニタグナータ王とお喋りしてただけですって」
「公式な会議の場でお喋りですか。さすがはリィンスタット王にテニタグナータ王。軽薄なお方と思考能力が高くないお方というのは、どこまでも気が合うのでしょうね。羨ましい限りです」
そう言った青の王が二人の王に微笑みかけたが、勿論目は全く笑っていない。
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