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円卓会議2
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「おい黄の小僧。お前さんのせいで儂にまで飛び火したぞ」
「いやぁでも、あんたが難しいこと考えるの得意じゃないのは事実だしなぁ」
またもや小声でそんなやり取りをしていると、今度は紫の席に座っていた女性が、じとりと二人を見た。
「うるさい。不愉快。黙って」
淡々と要件だけをぶつけてきたのは、紫の国の女王である。橙の王は口数少なく苦言を呈してきた彼女に軽く肩を竦めてみせたが、一方の黄の王は、ふにゃりとだらしない笑みを浮かべて頷いた。
「ベルマ殿がそう言うなら、俺黙っちゃいますぅ」
「同じことを二回言わせないで。口を開くな。あと、公式の場では国名に王をつけて呼ぶのが礼儀。そもそも公式の場じゃなくても、貴方に名前を呼ばれるのは不快」
先ほどよりもきつい語調でそういった彼女に、なおも何か言おうと口を開きかけた黄の王だったが、横から伸びて来た橙の王の掌がその口を塞いだ。これ以上とばっちりを受けては敵わないと思ったのもあるが、何よりも先ほどから銀の王の視線が痛いのだ。流石にそろそろ黙らないと、老王の怒りに触れそうである。
橙の王のその判断は正解だったらしく、僅かに片眉を上げた銀の王は、橙の王と黄の王をたっぷり睨めつけてから、全体を見回して口を開いた。
「さて、軽薄な口も塞がれたようである。王という重責を担う能力が著しく不足しているらしいヴェールゴール王の到着はまだだが、本題に移らせて貰おう」
そう言った彼が、赤の王へと視線を投げる。それを受け、心得たと頷いた赤の王が皆を見た。
「先日緊急伝達をした通り、グランデル王国とギルディスティアフォンガルド王国が帝国からの襲撃を受けた。幸い両国の被害を極限まで抑えることには成功したが、運が良かっただけだと私は考える。前回に加え今回も、私が苦手な土俵での戦いに持ち込まれた。更に今回は、そうして私を自国に留めた上でギルディスティアフォンガルド王国に手を出している。……あれは、こちらの弱点をよく知った上での戦い方だ」
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