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円卓会議3
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「弱点、ね。グランデル王は、帝国が円卓の弱点を熟知しているとお考えなのかな? どうして?」
そう言って首を傾げてみせた男は、萌木の国の王だった。実年齢よりも若く見えるが、円卓の国王の中では銀の王に次ぐ年長者である。
先達たる王は一見非常に柔らかく問い掛けたように見えたが、その場にいた王たちには、彼が赤の王の発言の真意を見定めようとしていることがよく判った。まだ幼い金の王が場に流れる空気に緊張の面持ちで臨んでしまうのも、無理ないことだろう。
そんな中でも、しかし赤の王は常の態度を崩すことなく萌木の王へと向かった。
「簡単な話だ、ミレニクター王。私たちが円卓の連合国の王であること。それ自体が、克服することすら叶わない最大の弱点です」
その言葉に、萌木の王は赤の王をじっと見つめたあと、静かな溜息を吐いた。
「やっぱりそこに落ちついてしまうんだね。確かに、それは僕たち全員に共通して存在する弱点だ」
「ええ。これまでは我々に並び得る敵勢力が存在しなかったため、問題になることがなかっただけです。しかし、帝国が脅威になりつつある現状において、この弱点は致命的と言って良い」
二人のやり取りに、薄紅の王も頷いた。
「王である以上、妾たちは自分の国の被害を最小限に留めるように立ち回ることしかできないわ。それを実行しないなんて、民に対する裏切りだもの。けれど、そこを逆手に取られると厄介ねぇ。始まりの四大国の王なんて最も危ういのではなくて?」
彼女の言わんとしていることを察した青の王が、忌々しそうに眉根を寄せる。それを横目でちらりと窺った緑の王は、薄紅の王に視線をやって静かに頷いた。
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