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円卓会議7
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「お待ちくださいエルキディタータリエンデ王! それではまるで、キョウヤさんを軟禁すると言っているようなものです!」
思わず叫んだ金の王に、銀の王が冷たい目を向ける。
「軟禁など生ぬるい。エインストラそのものを結界魔法で縛り上げ、その上で周囲を隔絶するのだ。ネオネグニオ王ならば可能であろう?」
問われ、紫の王が黙って頷く。表情の変化が薄い彼女が何を考えているのかは判らなかったが、少なくともこの提案に後ろ向きではないようだ。
「キョウヤさんは我が国の民です! ギルディスティアフォンガルド王国の王たる私の許可なくそのような所業に出るなど、許されるとお思いですか!?」
「お主が許そうとも許すまいとも、お主以外の王たちが納得すれば、お主も首を縦に振るほかなかろうよ。そも、私はこれでも限りなく譲歩していると思うのだが?」
一体何が譲歩だというのか、と憤慨した金の王が、赤の王を見る。銀の王はああ言ったが、少なくとも南方の国の王たちならば、民を犠牲にするようなやり方を肯定するはずがないと、そう思ったのだ。
だが、赤の王は何も言わない。慌てて黄や橙、薄紅の王にも目を向けたが、皆気まずそうな表情を浮かべているだけだった。
どうしたことかと再び赤の王に視線を戻した彼に向かい、赤の王がゆっくりと首を横に振ってみせた。
「ロステアール王……!?」
信じられないものを見るような目を向けた金の王に、赤の王が口を開く。
「キョウヤが帝国の手に渡れば、リアンジュナイル大陸全体に甚大な被害が出る可能性が高いのは事実だ。そして、それを防ぐための手段として、エルキディタータリエンデ王はこれ以上ないほどにキョウヤに配慮した判断を下された。ならば、我々がそれを否定することはできない」
「配慮、など、」
そんなものがどこにあるのだ、と言いたげな金の王に言葉を掛けたのは、青の王だった。
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