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円卓会議10
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その光景に対する反応は三者三様だったが、真っ先に声を上げたのは青の王だった。
「な、にが早いですか! 会議が始まる時刻はしっかりと伝わっているでしょう! 今は門も開放されているんですから、すぐに来ることができたはずです! それがどうしたらこんなに遅い到着になるんですか!?」
「え、さっきまで寝てたからかな?」
そこで、とうとう黄の王が噴き出し、怒髪天を衝いたらしい青の王が、黒の王と黄の王に向かって水霊魔法を放った。黒の王はさすがの身のこなしで難なく避けたが、椅子に座ったまま腹を抱えていた黄の王にはその余裕がなかったらしく、頭から水を引っ被るはめになってしまった。どうやら今回は、赤の王も相殺しようとは思わなかったらしい。
「つっめてぇ! なんで俺まで!?」
叫んだ黄の王に、紫の王が冷えた目を向ける。
「笑い声が不快だから」
「相変わらず辛辣……! いやまあでもそういうところも素敵なんですけどぉ」
「気持ち悪い。呼吸しないで」
「それはさすがに酷くないですか!?」
もっと俺に優しくしてくださいよぉ、と喚き出した黄の王に、紫の王が眉根を寄せる。慌てて橙の王が再び黄の王の口を塞ぐ中、黒の王はそのやり取りを無視して銀の王の方を見た。
「で、なんの話してたの?」
首を傾げた黒の王に青の王がものすごい顔をしたが、口を開きはしなかった。恐らく、問い掛けの相手が銀の王だったから言葉を飲み込んだのだろう。
「その前に、お主は言うことがあるだろう」
「え? うーん? ……あ! 遅れてごめんね。寝てた」
この場にいる誰もが、さすがにその謝罪はないだろうと思ったが、当代の黒の王には何を言っても無駄だと知っているので、指摘する者はいなかった。謝罪が聞けただけ良しとするべきである。
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