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円卓会議14
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改めて円卓を見回した銀の王が、ひとつ息を吐く。
「ヴェールゴール王の言う、ウロとやらの行動だが、解せぬ点がいくつもある。もし真にウロとやらがドラゴンに匹敵するかそれ以上の力を持っているのであれば、そも、ドラゴンを召喚する必要はなかろう。己が手でリアンジュナイルに攻め入れば|良《よ》いだけの話である。憶測にすぎんが、恐らく自らが手を下せぬ理由があるのだろうと私は考えるが、いかがか」
銀の王の発言に、王たちが頷く。そんな中、金の王が手を挙げた。
「帝国に雇われて傭兵をしていた方が仰っていたのですが、ウロという人物はまるで遊んでいるようだと。だとすれば、手を下せないのではなく、下さないのではないかという考えも浮かんでくるかと思います」
十分有り得る可能性だったが、それを赤の王が否定する。
「いや、私もあれから考えていたのだが、やはり遊びにしても無駄が多すぎる。ドラゴンを超え得る生き物だというのならば、それこそもっとやりようがある筈だ。寧ろ、何か定められた枠から外れないように苦心しているように私には見受けられる。そして、それこそが、私たちが付け入ることができる唯一の隙なのではないだろうか」
赤の王の考えに、銀の王も頷きを返す。どうやら、彼も同じことを考えていたようだ。
「それにしても、こうなると塔の管理者たる神様は一体何をしているのかしら、という気持ちになるわねぇ。そもそも、人の手に負えない生き物がすでにこの世界にいるという時点で、随分と後手後手なんじゃあないかしら」
ほぅ、と溜息をついた薄紅の王を、銀の王が咎めるような目で見た。不遜だと言いたげな彼に、薄紅の王が軽く微笑んで返す。それが意味する主張内容としては、不遜だろうとなんだろうと事実なのだから仕方ないだろう、といったところだろうか。
そんな二人に対し、今度は緑の王が口を開いた。
「……もしかすると、神もまた、定められた範囲でしかわたくしたちに力添えできないのでは? それこそ敵の話ではないですが、強大な力を持っているのなら、自らが直接統治すれば良いだけですもの」
彼女の言葉に、青の王も頷く。
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