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円卓会議15
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「一体何が神を律しているのかまでは判りませんが、それならば辻褄が合います。手を出せる範囲が決まっているのであれば、神の側も無駄打ちはしないように慎重になるでしょう。その分、我々人間からすれば後手に回っているように見えてしまうのかもしれません」
突飛といえば突飛な発想だが、圧倒的な上位種であろうウロが何かに縛られている可能性が高い以上、神もそうである可能性はある。その意見に、赤の王も肯定の意を示した。
「実は私は、その範囲というのを決めているのは互いなのではないかと考えているのだ。ウロという上位種の干渉と神の干渉は、常にバランスが保たれるようになっているのではないだろうか。事実、今回の帝国の襲撃以降、我々の国とこの塔とを繋ぐ門は常時開放されるようになった。ということは、この説が正しかった場合、基本的に神からの干渉は敵の干渉を受けた後に行われている可能性が高い」
「……つまり、干渉の天秤は神の側に傾きがちであり、神からの助力に期待しすぎるのは危険だと、そういうことですか?」
青の王が言い、赤の王が頷く。それを見た萌木の王は、静かに立ち上がって黒の国に通じる門の方へ向かった。
「この門を通して自分の国以外に行けるようになれば、時間の制約なくお互いの国を助けることができるのだけれど、」
そう言いながら、萌木の王が門へと手を伸ばす。しかし、門に囲まれた空間に差し掛かったところで、その手は大きな音と共に弾かれた。
「この通り、門は自分の国の王しか受け付けてくれないしね。神も今はそこまでの助力はできないってことかな」
弾かれた手をひらひらと振った萌木の王は、やれやれと呟いて席に戻った。
それを待ってから、銀の王が改めて口を開く。
「私も、神々の助力を頼りに動くのは愚かであると考えておる。となれば、我々のすべきことは大きく分けて二つ。帝国の撃退と、エインストラの保護である。うち、前者に関してはこちらで策を練ろう。この会議が終わってすぐに、過去視の準備に取り掛かる。万難を排し、半月以内には必ずウロとやらの正体を掴んでみせよう。帝国へ侵攻するのはそれからになるが、各国戦争の準備を整えて置いて欲しい」
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