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円卓会議16
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「戦争となると、儂を含む四大国の王は皆参加することになるな。だが、他はどうする? 王が国を空けるとなれば、国力の低下は否めんぞ。全ての王が戦に参加するわけにはいかんと思うのだが」
橙の王の問いに、銀の王が首肯する。
「その通りだ。現状では確定できないが、それを考慮し、少なくとも紫だけはリアンジュナイルに残すことになると考えておる。加えて、戦力として不安が残る金と銀も残ることになろう」
銀の王が自らを戦力外と称したのは意外だったが、確かに彼は高齢である。若い頃は武王として名を馳せていた彼は、現在も自ら先頭に立って戦うことを躊躇うような王ではなかったが、大陸全体の危機を前に、己の戦力では不足があると判断したのだろう。
「ううむ。どうしても大陸内が手薄にはなるが、そこは帝国に向ける部隊を少数精鋭にしてカバーするしかないか……」
唸る橙の王に、紫の王が少しだけむっとした表情を浮かべた。
「私が本気を出せば、一時的にだったら大陸全体くらい結界で覆える。侮られるのは不愉快」
「あらぁ、そうは言うけど、結界魔法って、効果範囲が広がれば広がるほど強度が弱くなるものでしょう? テニタグナータ王が不安がるのも無理ないと思うけれど」
そう言って首を傾げて見せた薄紅の王を、紫の王が睨む。だが、それを無視した薄紅の王は銀の王へ視線を移した。
「というより、妾も行かなくちゃいけないの? 争いごとも汚れるのも美しくないから、留守番していたいのだけど」
「お主の幻惑魔法は、大軍に対して実に効果的だ。行かせぬわけにはいくまいよ。場合によってはヴェ―ルゴール王と組んで貰うことも考えておる」
確かに、黒の王の暗殺術と薄紅の王の幻惑魔法は非常に相性が良い。組み合わせ方次第で、互いの力を何倍にも強め合う関係だ。だが、薄紅の王はとんでもないといった顔を黒の王を見た。
「こんなその辺に転がってそうなイモみたいな子と一緒なんて嫌よ!」
「俺だってあんたみたいな化粧臭い人と一緒は嫌だよ。でも相性の都合でその方が良いのは判るし我慢してよ。俺も我慢するから」
「まあ! 生意気!」
口元を扇子で隠した薄紅の王が、わざとらしくそう言ったが、黒の王は面倒くさそうな顔をしただけだった。
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