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円卓会議18
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「あのー」
ゆるっと手を挙げた黄の王が、王を見回して言葉を続ける。
「エインストラの保護、ウチでやりますよ」
唐突な発言に、何人かの王が訝し気な表情を浮かべた。そんな王たちに、黄の王がへらりと笑いかける。
「ヴェールゴール王の話を聞く限りじゃ、エインストラを確実に守れる保証はなさそうじゃないっすか。ってなると、一番大事なのは、事が起こった時にいかに早く連合国でそれを共有するかだと思うんすよね。ウチなら一番素早く情報仕入れられるし発信もできるから、適任だと思いません?」
まあつまり守り切れる自信はないんですけど、とおどけてみせた彼に、しかし王たちはなるほどと頷いた。
黄の王はああ言ったが、彼の戦力もかなり高い方である。魔法を抜きにした純粋な戦闘力で言うならば、赤の王にも引けを取らないだろう。黄の王が守護役としても伝達役としても優秀なことは、明白だった。
「反対意見がないってことは、ひとまずウチで預かるってことで決まりっすね」
そう言った黄の王が、続いて金の王を見る。未だに不安を拭えないという顔の彼に、黄の王はぱちりとウィンクをしてみせた。
「エインストラが女の子じゃないのは心底残念だけど、まあ精々守らせて貰いますよ。だからギルディスティアフォンガルド王もあんま心配すんな」
「っ、……はい。ありがとうございます」
金の王が、感謝の意を込めて頭を下げる。
黄の王が天ヶ谷鏡哉の保護に適しているのは本当だ。それが今できる最善であるのも、正しいのだろう。だが、きっと彼が声を上げたのはそれだけではない。天ヶ谷鏡哉の処遇に苦心する金の王を安心させるためにも、自分の国で預かるのが良いと判断したのではないだろうか。事実、彼ならば天ヶ谷鏡哉に不当な真似はしないだろうと、金の王は安堵した。
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