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砂漠の色男9
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「……あの、もしかして、国王陛下は僕の様子を見に……?」
どこぞの赤色の突拍子もない行動を何度も見ているからか、思わずそう尋ねてしまった少年だったが、それはあっさりと否定される。
「いや? なんで俺がわざわざ男の様子なんか見なきゃいけねーんだよ」
「あ、いえ、すみません。そうですよね」
それはそうだ、と少年は内心で安心した。この王も赤の王のような変人だったらどうしようと思ったのだが、どうやらまともそうである。張り付けた笑みの裏でそんなことを考えていた少年に対し、黄の王が頷いた。
「そうそう。俺はただ、この街には最近顔出してなかったから、久々に女の子たちの様子を見ようと思って遊びに来ただけなんだよ。そしたら|砂蟲《サンドワーム》やらザナブルムやらが湧いたって大騒ぎになって、もークラリオ大変。仕方がないから泣く泣く女の子と別れて颯爽と登場したってわけ」
「は、はあ……」
前言撤回。やはりこの王も普通ではなさそうだ。赤の王、金の王、黒の王と来て、四人目の国王との邂逅だが、どの王も一般とはズレている気がする。
(あ、いや、金の王様はまともだったような。……でも、あの人のことが絡むとちょっと盲目的だから、やっぱりおかしいかもしれない……)
少年がそんな風に失礼なことを考えていると、黄の王がちらりと周囲を見てから、それじゃあと言って、そっと少年から離れた。そして、自然な動作で少年から距離を取ったところで、その辺りにいた女性たちに声を掛ける。
「今日は俺、超気分が良いし、ザナブルム料理ができるまでここにいよっかなー! 女の子たち、皆で一緒にご飯食べない?」
「きゃー! クラリオ様と一緒にお食事できるなんて!」
「ぜひぜひ!」
「ずるいわ! 私もご一緒させてくださいクラリオ様ー!」
わっと群がった女性陣一人一人に、黄の王が丁寧に対応する。そしてそれを見た男性陣も、わらわらと人の群れの一部になっていった。
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