アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
終局6
-
「という訳で、グレイ曰く、まだまだ未完成な魔術だそうだ」
「それを二度も使わせてるってんだから、やっぱあんたの采配どうかしてるわ……」
言われ、赤の王が苦笑する。
「仕方がない。そうするのが最善だったのだ。それに、仮に私がその場にいたとしても、同じことになっていたさ。私の極限魔法では、水神には対抗できんからな」
「え、そ、そうなの?」
思わずそう尋ねてしまった少年に、黄の王が笑う。
「そりゃそーだ。火霊魔法は水系統との相性最悪だからな。同じくらいの力なら、属性的に有利な方が勝つんだよ。極限魔法は確かにめちゃくちゃすげー魔法だけど、所詮ありゃあ人の領域における最高峰でしかない。概念の神が人の想いの塊だとしたら、あれもまた人の領域の最高峰に相当する。同じ最高峰なら、あとはもう属性的に勝っている方が勝つのが道理だろ? だからこそ、ロンター宰相は有利属性の極限魔法で対抗した訳だ」
「な、なるほど……」
概念とはいえ一応は神様である存在を人の領域と判じて良いのか、といった思想上の疑問点を除けば、拍子抜けするほどに単純な話である。
とは言え、赤の王が負ける姿をあまり想像できない少年にとって、彼が負ける状況があるという事実はかなり衝撃的な内容だった。
そんな彼の心情が判ったのだろうか。赤の王が少しだけ複雑そうな表情を浮かべつつ、やや言いにくそうに口を開いた。
「……まあ、全く勝てないのかと言われると、実はそうではないのだが……」
「え、そうなの……?」
尋ねる声に、赤の王が頷く。
「非常に使い勝手は悪いが、一応、まだ上があるからな」
その言葉に、少年はグレイの元で学んだことを思い出した。恐らく、神性魔法のことを言っているのだ。
少年はそれがどういう魔法なのか知らないが、赤の王の様子から察するに、ハイリスクハイリターンな魔法なのだろう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
177 / 197