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聴取②
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「で、だ坂口」
「はい」
4限目の授業が終わってすぐに呼び出しをかけた
来てくれるかという不安はあったが坂口は以外にもちゃんとやってきた
「俺の秘密って?」
「教えて欲しい?」
化学準備室には誰も来ない
カエルの解剖図なんかに囲まれながら儚げな生徒に詰寄る教師
絵面はアウトだ
「先生正直 どれ がバレたのか分からない
夜も眠れなくて寝不足だ
1晩我慢したんだから教えてくれよ…」
「んー、先生の…えっち」
ニヤリと妖艶な笑みで囁かれる
お前そんな顔できたのか
「っ、ぇ…」
毛足の長い猫みたいなふわふわの髪から甘い香りがすることに気がついた時
目と鼻の先まで坂口が来ていたことに気がついた
「秘密、だよ
でもほら、思い当たる節がありますよね
俺はちゃんと見たし、写真もある」
「…っ写真、て……」
いいか坂口、俺にはえっちな、バレちゃいけない秘密が多い
どれだ
「ちゃんと顔が写ってるやつです」
「……ちなみにそれはバレると職を失うに値するやつか?」
「…へへ
わかんないです」
……あああああ!!!
あー、やっちまったな俺
うわー、これ完全やっちまったやつだな
やべぇー死んだわ
具合悪くなってきた
「……一応聞くけど、それで俺を強請る気か?」
「んー、あ、そっか
はい、強請ります」
だよねー
強請るよねーー
多分俺も担任の重大な秘密とか握ったら譲ると思うよ
「…何が望みだ?」
俺はまだこの仕事を続けていたい
正直吐くほど大変だけど安定はしてるからまだ辞めたくない
公務員職にしがみついていたい
「今晩泊めて」
「は?!そんなのダメに…」
「決まってるけど断れるの?」
「分かってるけど…」
意外すぎてびっくりしてしまった
まぁでも確かに驚いたところで俺には断れない
「じゃあ今日坂の下のコンビニで待ってますね」
表情をめったに変えない彼のとびきりの笑顔は妖艶な笑みと同じくらい俺の心臓を殴りつけた
勘弁してくれよ…
お前そんな顔できたのか……
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