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「北田おはよ!」
教室のドアを開けると、ドアの近くの席に群がっていた男子の輪から、日崎が声をかけてきた。
「お、おはよう」
他の男子の視線に少し怯えながらも答えると、日崎は爽やかな笑顔で手を振り返してきた。
……ほんとこいつ犬みたいだな。
そんなことを考えてると、後ろから「北田ってあんな声だったんだ」とか「え、柊と接点どこ?」って声が聞こえた。
俺、よっぽどこのクラスと接してなかったんだな。
苦笑しながら席についた。
4限が終わるチャイムが鳴って、皆が屋上や中庭へ散り散りになる中、俺はいつも通り特別教室がある校舎へ向かう。
俺の席の隣は、このクラスの女王みたいなやつなので、周りに女子が群がるのだ。
だから俺はこの校舎の片隅の階段で食べてる。誰の迷惑にもならないし。
今日は唐揚げ入れといたら楽しみだなー、なんてちょっとスキップしてたら、後ろからパタパタと廊下を上靴が叩く音が聞こえてきた。
「北田!やっと、みつけ…た!」
「えっ!日崎!?」
「一緒に食べようぜ!」
とりあえずお弁当箱振り回しながら走るのやめようか。もう手遅れだと思うけど。
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