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俺得的な仕打ち
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人は忙しさにかまけていたら大切なものを失ってしまう
俺には少し年の離れた可愛い恋人が居る
純粋で真っ直ぐで温かくて心根の優しい奴だ
キラキラ眩しくて俺なんかには勿体無いくらいの存在で大切に思っていた
だがもう、随分と躯を重ねていなかった
最後に口付けをしたのは何時だっただろうか
この御時世故に互いに忙しくもあったが、長期の任務も度々あって接触する機会も激減していった
唯一の遣り取りである手紙…最初こそは頻繁に届いていたのに今では滞ってきている
たまに会う時も薄々だが擦れ違いはなんと無く感じていた
もしかすると俺の他に気になる奴が出来たのかもしれない
十分に構ってやれずに恋人らしい事をしてやれなかった俺に非はある
俺に対する気持ちが薄れていっているのであるなら解放してやるべきなのだろうか…
色々と余計な事を考えてしまっているが俺は別れてやるつもりはない
アイツが別れを切り出してこないのは情と惰性で付き合いを続けてくれているのか…まだ俺を愛してくれているのか分からない
こんな女々しくしみったれた気分のままでは仕事にならない
だからこそ確かめる為に休暇を取って会いに来た
「炭治郎、邪魔するぞ…居るなら返事をしろ…」
鴉に探らせて見付けた滞在しているらしい宿にて通された部屋の前で声を掛けても何の応答もない
山奥の小さな民宿だからか他の客の姿や声すらない薄気味悪い場所だ
不思議に思いながら襖を開けて部屋に入ると隣の風呂場から微かにだが音がする
風呂に入っているのか様子を伺う為に向かうと水音に混ざって声がする
そっと浴室を覗いてみると磨りガラスの向こうに密着する影が二つ
中に居るのは炭治郎一人ではない……一緒にいるのは誰だ?
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