アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
一難残ってまた一難
-
予鈴が鳴ったから仕方なく教室へ戻った。
まぁ、なんとなくは整理ついた。
でも、まだどこかで引っかかってる。
「あー、斗蒼来た。大丈夫?」
「あーうん。なんとか、だけどな。」
「はーい、席付けー。転校生が来た。紹介する。」
手招きされてきたのは、男だった。
金髪でおそらくカラコンだろう。
碧眼だった。
「初めまして〜。
俺、佐賀見 怜(サガミ レイ)言います。
よろしゅうな!」
「佐賀見は関西から来たそうだ。」
「俺の母さんが関西人なんで、俺も関西弁です。」
「関西、か。京都とか奈良とかそこら辺のところだよね?」
「あぁ、そうだな。」
「…っ!」
目が合った。意外と綺麗な目してんだな。
ん?こっち来る…?
「おい、自分名前は?」
「有栖川斗蒼。」
「有栖川って…あの!?」
「あぁ、」
「やっっと見つけた!」
「は?」
「俺の嫁になれや!!」
「……寝言は寝て言え。」
「寝言やない!ホンマに言うとる!」
仕方ない…奥の手を使うか…
「…俺には…許嫁がいるんだよ。」
嘘だから、茉莉愛じゃないぞ。
「っ!で、でも、あんたが必要なんや!」
……必要…ね…。
「それってさ、俺、じゃなくて金、だろ?俺の財産目当てで俺が必要なんだろ?」
「バカか!?あんたは!ちーがーうーっちゅーねん!
必要ってのは言い過ぎたけど、俺は、あんたに惚れたんや!」
………は?
「冗談はよせ。今日、今会ったばかりだ。なのになぜ惚れる。」
「あんたの出てるテレビとか見てたら惚れた!あと、雑誌とか!」
……俺は、七海が好きなん……は?
おいおいおい!
何勝手に妄想してんだよ!
頭を横に振り考えをなぎ払う。
「とにかく、無理だ。」
「なんでやぁ!!あんさん好みの格好にしてきたのにぃ!!」
「…あんなの信じてんのか?(笑)
バカか、あんなのでっち上げだ。」
「……。」
「なんだ、幻滅したか。なら、俺の前から「やっぱカッコええなぁ!」
は?
「誰も寄せ付けずに、誰色にも染まらない。ええなぁ…。
やっぱあんさん、めっちゃ好きやわ!ええか?自分を落とすまで、俺、諦めへんからな!」
諦めてくれよ。
こいつも変にポジティブなんだな。
厄介だ。
「……なぁ、HR終わってもいいか?」
「どうぞ終わらせてください。」
「はい。じゃぁ解散。」
「斗蒼ー?大丈夫……じゃないね(笑)」
「あぁ?」
「整理ついた?まぁ、そう言う事だから、改めて見直してみれば?」
「見直す……ねぇ。」
さっきも不意に七海のこと好きとか出てきたくらいだから、悠紀の言う通りなんだとは思うけどよ。
「おーい!有栖川ー!一緒に飯食わへん?」
「今HR終わったばっかだろ。早えんだよ。」
「腹減ってもうたん、しゃあないやろ?」
「早退するから、昼は一緒に食べない。」
「いつしますの?」
「今。」
「!?おーい、斗蒼ー?俺そんなの聞いてな……そうだったね!思い出したよ!朝から具合悪いんだよね!うん!じゃあね!お大事に!」
「……お大事に!明日また会おうな!」
「ん。」
帰ったら帰ったでまた大変になるんだろうけど、でも、ここにいたらいつあいつに襲われるか時間の問題だからな。
………帰るか。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 49