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松見屋 亮吾side
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みんなの後ろで俺は光と話をしていた
光「亮吾、君には声が聞こえるか?」
光も聞こえていたか……
亮吾「ああ。龍と使用人が話している時に気がついた。」
光「一体なんの声だと思う?」
1人だけではない……何人もの人が騒いでるような声
亮吾「すまない。俺には分からない。
だが、声の荒らげ方からすると……」
続きを述べようとすると、廉の声が俺達の会話を遮った
廉「なにぃ!!……た、たしかにおれは子供でガキだ……!!でもおれは……おれはりゅうが困ってるのなら力になりたい!」
廉が言うには龍が困っているらしい
その言葉を聞き、俺と光はみんなの話に混ざる
双兄「かっこいいな、廉。俺たちは親たちの圧を理由に深く関わることを恐れていた。
だが教えて欲しい、龍。龍は何をしようとしている……?」
俺たちは常に親に監視されているようなものだから、家の恥晒しと思われないようにしなければならない
龍は黙ったまま答えない
陽「……もしかして、外の騒音が関係してたりする……?」
結雨「騒音……?」
陽「俺、耳がいい方?らしくて周りの音がすごい聞こえる。今日は外がすごくうるせぇ……うるさいなあと思って。」
龍「そうです。実は……色々あって兵が正門まで攻めてきていて……」
なんだか自分が行こうとしているかのような……
そんな……まさか……
亮吾「まさか……倒しに行こうとしたのか?」
龍「……」
予想は的中
皆、龍を正門に向かわせないよう、必死に説得している
しかし龍はなかなか一緒に屋敷に戻る、と言ってくれない
逆に困ったような顔をする
亮吾「どうしてそんなに悩む必要がある?
俺たちに教えてくれ。龍が何を思い、悩んでいるのか。」
俺たちは知りたい
龍の考えを、思いを……
龍「…………誰かが傷つくのが嫌なんです……。
だからっ…………!」
だから……自分が戦う、か……
恐らく、俺たちだけでなく、兵士たちや使用人達にも傷ついて欲しくないのだろう
全員を守りたいってことか……
結雨「…………りゅうちゃんさあ、もしかして自分は傷ついてもいいと思ってる……?」
結雨の発言を聞き、龍はバツの悪そうな顔をする
王子達「…!!」
俺達は驚く
透「俺たちだって…………龍が傷つくのは嫌だ!」
全員が透の言葉に頷く
龍はみんなに傷ついて欲しくないかもしれないが、俺たちだって龍が傷つくところなんて見たくない
光「龍、頼む。一緒に屋敷に戻ろう?」
光は優しい声と口調で龍に話しかける
龍「ごめんなさい……。」
龍の謝る小さな声が聞こえた
どうして、謝る
俺たちはただ龍に一緒に屋敷の戻って欲しいだけなのに……
俺は龍を抱き上げても屋敷に連れていく
そう思い、動き出そうとした瞬間……
ものすごい力で腕を引っ張られる
両腕を龍の使用人に掴まれていた
ほかのみんなも同じだった
全員が龍の元に行こうと暴れるが、使用人たちは腕を離してくれない
それどころか、屋敷に連れていこうと引っ張られる
亮吾「離せ……!お前たち(メイドや執事)は龍がどうなってもいいのか……!?」
俺たちは龍の背中に向かって叫び続けた
廉は泣いていた
俺たちの言葉は龍に届かず消えていった
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