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心情
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生まれた時からずっと一緒、俺より二時間だけ年上の幼馴染。誕生日は一緒、家はお隣、弱い俺と、強い恋。
惹かれはじめたのはいつだろう、わかんないよ、気がついたら恋をしていた。自覚したら愛をしていた。俺は人間をさ、恋と、それ以外として見てしまうぐらい、それぐらい恋は俺の全てで。俺の人生。
大好き、大好き、愛してる、それ以上の言葉をどうやって恋に贈ればいい?
「あーい。また寝坊かコラァ、学校遅刻すんぞ!」
寝たふり、恋が起こしてくれるのを待ってる。俺は恋をしている。文字通り、恋に恋をしている。
「起きてたよ。」
恋の、腕をつかむ。恋は呆れたように笑って頬にキスをしてくれる。恋は俺の全て、恋に恋をした俺には、それだけが生き甲斐で、それしかないんだ。
お母さんの焼いたパンを頬張る恋と、それを横目に学校にいく支度をする俺。
幸せだよね、うん。すげぇ幸せ。
通学路で軽く手が触れたら、どきっとする。
慌てる恋と、慌てる俺と、いまさらだなって顔を合わせて笑って、マフラーに赤い顔を埋めて、寒いこの道を歩く。
恋と通学できるのも、もうあと、一年かぁ。
なんだかしみじみしちゃう、ね。
学校生活は至っていつも通り。恋は明るいし人気者だから、学校の近くまで来たら、同級生から後輩、たまーに先輩までみーんな恋に声をかける。「おはよ~」「今日も髪赤いな!」「王子様がまぶしすぎて見えなかったわ!」なんて言われてて、恋は「はよ~!」「イケてんだろ?」「ナイトは王子の影に潜むもんなんだよ!」と返す。
スゴイよな、よくそんな上手い言葉がするする出てくるよ。そんな恋と真反対に、俺は女の子に囲まれてタジタジ。女の子、少し苦手。でも話しかけられて無視なんてできないし、参ったなあ。…でもみてて、いち、に、さん、よん、五秒。
「王子様に群がってんじゃねーよー庶民ー!」
「ウザッ!西浦ウザッ!」
「ひっでー!つーか昨日の連ドラみた?やばくね?展開激熱!」
「みたーー!やばい、ほんとじゅんじゅんカッコいー!」
「あーいう男に俺はなりたい」
「いや西浦はむりじゃない?」
こうやって、俺が眉を下げたら。恋がいつも助けてくれる。さりげなく、俺を守ってくれる。大好き、俺のヒーロー。
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