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Prolog
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"早くこっちの奴を連れて行け!!"
疲労が溜まり動かぬ体を叱咤し患者のもとへかけ寄る
「翔欧病院、医師の柚木です。聞こえますか?」
砂埃で薄汚れた額を拭って問いかける
「もし返事が出来ないようでしたらこちらの手を握り返して頂けますか?」
すると弱々しくはあるが確かに力を感じる。
軽く応急処置を施す。
見た目に反しそこまで傷は深くないようだ。
(よし、意識あり。トリアージは赤。)
もう何度目か分からないトリアージをしてその人を救急隊員に預ける
「女性。推定20代後半。頭部に外傷、流血はしていますがそこまで深くはありません。
しかし少し意識が弱いので注意してください。」
「分かりました。お引き受けします」
どうか助かってくれと祈りながら辺りを見回す。
恐らくさっきの患者が最後であったのだろう。
見たところ、早急に治療が必要そうな人はいない。
(とりあえず山は過ぎたか。急いで本部に戻ろう)
本部に向かおうとしたその刹那、頭を揺さぶるような轟音が鳴り響く。
揺れで立っておれずその場に膝を着く。
「くっそ…。今度はなんだ!?」
我ながら焦って悪態を着いてしまう。
揺れがおさまるのと同時にインカムから音声が流れる。
”こちら対策本部。ただいま北東方向の建物が崩落した。
付近にいる隊員及び医療スタッフは直ちに傷病者の救出に当たってくれ”
(北東方向って……まさか!?)
通信が終わらぬうちに俺は駆け出した。
そして___
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