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「うん。見たところは大丈夫そうだね。
それじゃあ明日から順次検査をしていこうか!」
ひとり慌てる丹兎先輩をほって置いて本院の中でも人気のおじいちゃん先生の松下(まつした)先生、
(先輩曰くまっつんせんせ)は俺の診察を終えた。
松下先生が言うには俺は5ヶ月ほど眠っていたらしい。
しかしずっと眠っていた訳ではなく、時折目を覚ましては錯乱状態に陥って暴れることもあったという。
その度に俺を抑えていたのは丹兎先輩で、
「めっちゃ大変だったんだぞ!!ケイは力強いんだな!!」
と笑って言っていた。
さすがに申し訳なくて心の中で謝った。
しかしまだ頭がぼーっとしている気がする
なかなか先生たちの話に集中することが出来ない。
するとそれを見かねたのか松下先生がのんびりとした口調で告げる。
「検査自体は明日からだけど、今日動けそうだったらちょっと言って欲しいところがあるんだ。動けそうかい?
厳しかったら車椅子を持ってくるからね。」
俺は少し考え、答える。
「大丈夫です。車椅子をお願いしてもいいですか?」
体は重いが動かせないほどでもない。
車椅子を使えるなら行けないこともないだろう。
「そっか、そっか。じゃあ、車椅子を持ってこようね。
くれぐれも無理は禁物だよ。うさぎくんケイ先生を連れて行ってあげてくれないかい?」
すると丹兎先輩は拗ねたように、いじけたように下唇をモゴモゴさせて呟く。
「まっつんせんせぇ…そのうさぎくんって呼ぶのやめてよぉ!!最近小児の子にも『うさちゃんせんせー!!』って言われるようになっちゃったよ…」
「はっはっは。いいことじゃないか。小さい子に好かれる医者はいい医者になれるぞぉ。子供は未来への宝だからね。」
丹兎先輩の方をバシバシ叩き、じゃあ車椅子を持ってくるまでちょっと待ってねと言い残し松下先生は病室を去った。
「まっつんせんせーめ!!オレを煽ててればいいと思ってーー!!」
んべーー!!と大人気ない丹兎先輩を横目にゆっくりと伸びをする。
5ヶ月も眠っていたのは本当らしく伸びをするとあちこちがなっている音がする。
そしてしばらくして師長の厚木さんが車椅子を運んできた。
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