アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
崩壊2
-
「何を手伝って欲しいんですか?」
「手伝ってくれるぅ?」
「内容によりますけど、僕に出来る範囲内ならお手伝いします。」
僕がそう答えた時の彼女の笑顔は、
とても、
黒いものでした。
「大丈夫だよぉ。黒子君なら絶対できるからぁ。」
そう言って、惟葉さんはポケットから数枚のメモ帳を取り出しました。
それは、彼女が部活の仕事を覚えられるようにと書いた、あの紙でした。
「その紙は…………」
「そう、部活のメニューとかお仕事とかを書いた紙だよぉ。これをねぇ………」
ビリッ、ビリッ、ビリビリ。
「……!?なんで破ってるんですか!それは大切なものだったんじゃ……?」
驚く僕をよそに、惟葉さんはどんどんと紙を破っていき、もう元に戻せないくらいまで細かくしました。
「そぅ。大切なものだったよぉ。でもね、所詮、『だった』なのぉ。これからはねぇ、こんな紙切れがなくても、私はキセキのそばにいられるからぁ。あなたのおかげでねぇ?黒子君。」
「ぼ、くの………?」
いつもと変わらない、笑顔。
その笑顔に、僕は反射的に少し後ずさりました。
「なんで逃げてくのぉ?」
なんで気づかなかったのでしょうか。
彼女のいつもの笑顔ですら、こんなにも黒いということに。
そして彼女は、ポケットに忍ばせておいたであろうカッターをだし、自分の腕を切りつけました。
ワイシャツに赤いシミが浮かぶ。
そして悪女は、微笑みました。
いつもと変わらない、
その笑顔で。
数秒後、
「きゃぁぁあああああ!!!!」
甲高い悲鳴が、体育館裏に響き渡りました。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 146