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勘違い
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青峰君は僕にそう言うと、惟葉さんの元へと走っていきました。
続いて、紫原君と、赤司君も。
黄瀬君だけが、僕の近くにとどまっていました。
それに微かな希望を抱いて黄瀬君を見上げました。
でも、視線を交わらせた黄瀬君の表情は、
僕のその微かな希望を打ち砕きました。
──まさ、か……
「黄瀬、君……?」
やっとの思いで出した声はあまりに小さく、けれど黄瀬君には聞こえたようで、黄瀬君の小さく肩が揺れました。
それでもそこから動かない黄瀬君にもう一度声を掛けようとした時、
「テツヤ……いや、黒子。」
怖いくらい表情のない声で赤司君が僕の名前を呼びます。
その声が聞こえた途端、黄瀬君がハッとして惟葉さんの元へと走っていきました。
──う、そ……
どんなことがあっても、
たとえ周りがなんと言おうと、
黄瀬君は僕をを信じてくれる。
そう思えるほどに、
僕と黄瀬君は繋がっていると信じていました。
それが、勘違いだと気づきもしないで。
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