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黄瀬side
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俺には愛すべき人がいる。
その人がいるから、
仕事もバスケも頑張ってこれた。
黒子っちがいたから、
今まで笑ってこれた。
俺の大好きな人。
俺の、恋人。
その黒子っちに今日も会うため、俺は体育館への道を急いでいた。
たどり着いた体育館に黒子っちはいなかったけど、
青峰っちが久々に部活に出ていたから1on1を申し込んだ。
──早く、黒子っちに会いたいっス。
そう思いながら、青峰っちと走っていたら、
「惟葉さんが黒子にカッターで傷つけられた。腕から血が出てる。」
そう、二軍であろう部員が言った。
「ありえないっス。」
俺がそう言ったのと、青峰っちが同じような否定の言葉を言ったのはほぼ同時で、
こんな状況下で、「黒子っちはやっぱり愛されてるんスね。」と嬉しく思った。
けれど、不安がなかったわけでもなく、一応赤司っちの後をついていった。
俺は男。
黒子っちも、男。
黒子っちのことは信じてるし、裏切らないと思ってる。
それでも、拭いきれない不安もあるわけで。
どんどん膨らんでいくその不安に、
「そんなことない、そんなことない。」
と自分に言い聞かせるように心の中で必死に唱え続けた。
それはやはり、俺が黒子っちを心のどこかで信じきれていないからで、
そのせいで、俺たちは早合点をしすぎた。
黒子っちが、
あんなに優しい黒子っちが、
裏切るわけないのに。
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