アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
無意識の気持ち
-
惟葉さんに嵌められたその日、僕は顧問の先生に退部処分と謹慎処分を下されました。
本当なら退学のところを、惟葉さんが直々に止めたそうです。
「惟葉が優しくてよかったな。」
皆さんは口々にそう言いますけど、
違いますよ。
彼女は僕を生け贄にしたんです。
僕が学校にいる限り、
惟葉さんは皆さんに守られますから。
僕という存在がいる限り、
惟葉さんは皆さんにちやほやされますから。
僕は生け贄にされたんです。
一分一秒絶え間なく届く中傷メール。
仕事で忙しく、帰るのも遅く、相談なんてできやしない両親。
何の連絡もくれない黄瀬君。
怖くて、苦しくて、悲しくて。
全てが、いっきに僕の心を壊していきました。
それでも、これ以上休み続けると両親に心配をかけてしまいます。
──学校へ行ったとしても、大体反応はわかりますが……
謹慎が解けて五日後の日、僕は意を決して学校へと向かいました。
何故か冷えきった心で、学校でされることを考えながら。
元仲間の皆さんからされることを考えながら。
そんなことを考えながらでも、
やはり、心の中のどこかでは皆さんを、黄瀬君を信じていたんです。
この時、信じてさえいなければ、
僕の心は、こんなにも壊れなかったのに。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 146