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高尾side
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俺の親戚に、黒子テツヤという男がいる。
優しくて、強くて、頼もしくて。
少し人より影は薄いけど、普通の人より人のことを想ってくれるすごくいい奴だ。
その影の薄さで、辛いこともあったと思う。
なのにも関わらず、ひねくれているところなんてないし、人を傷つけるような事も絶対に言わない。
本当に、いい奴。
でも、そんな奴にだって弱いところは必ずある。
そして、テっちゃんにとってのそれは、キセキの奴らだった。
赤司は、影が薄いという以外取り柄がないと思い込んでいたテっちゃんに希望を見せた。
青峰も、相棒として、仲間として、テっちゃんを認めて、光に導いた。
緑間も、紫原も、真面目なテっちゃんを認めた。いつもめげずに頑張っていたテっちゃんを見ていたから。
黄瀬も、仲間として、恋人として、テっちゃんを守り、大切にした。
キセキは、テっちゃんにとっての全てに等しかった。
でも、それがテっちゃんの弱味になってしまった。
何もなかったところに、突然差し込んだ光。
例えテっちゃんじゃなくても、誰だって依存してしまうだろう。
そして、それを一瞬で奪われたら。
信じていた全てに、一斉に裏切られたら。
そんなの、考えなくても容易に分かる。
精神の崩壊。
そして、生への執着がなくなる。
それが、今のテっちゃん。
壊れかけた人間。
その原因は、キセキ。
嗚呼、許せない。
もしテっちゃんが許しても、
きっと俺は許せない。
テっちゃんは優しすぎるから。
脆すぎるから。
きっとまた、依存してしまう。
そしてもし、また裏切られたら?
きっと、俺なんかがいても、死んでしまう。
それほど、キセキはテっちゃんにとっての大切な存在。
たかだか親戚ってだけの俺なんて、足下にも及ばない。
でも、
それでも。
守ってあげたい。
そばにいたい。
例え、俺がどんなに傷ついたとしても。
絶対に、そばにいるから。
だから、泣かないで?
俺の、───ーーーーー
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