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知らない
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その頃、学校では──ーーー
「全く。テツ──黒子には本当にがっかりだ。まさか惟葉を襲うなんて。」
「俺も失望したのだよ。フラれたくらいで女性を襲うなんて、言語道断。人事を尽くしてないのだよ。」
「テツはそんな奴じゃないと思ってたんだがな。マジでクソだったわ。次あったらぶん殴る。」
「ポリポリ……(ポッキー食べてる)」
昼休み。いつもは集まったりしないが、屋上にキセキが集まっていた。話す内容は、もちろん黒子テツヤについて。
この数日、部活内はもちろん、学校中がその話で持ちきりだった。惟葉が訴えたりしないと学校側に報告した為、新聞などにはあがってはいないが、TwitterやFacebookなどではそこそこの騒ぎになった。
もっとも、このままではバスケ部の存続が危ないといち早く察した赤司の手により、今となっては情報を流す人が存在しなくなったのだが。
「黒子っち……なんで、惟葉っちを………。やっぱり、俺じゃダメだったんスかね……」
「「「…黄瀬……」」」
黄瀬はあの日以来、すっかり元気をなくしていた。惟葉を襲ったという事より、テツヤが惟葉に告白したという事実にショックを受けていた。
(付き合っている間、ずっと幸せだと思っていたのは、俺だけだったんスか……?)
しばらく、沈黙が流れた。
意外にも、その沈黙を破ったのは緑間だった。
「……やはり、俺は許せないのだよ。」
「真太郎?」
「惟葉に恐怖を植え付けておいて、自分は呑気に生きるというのは、やはり俺には許せないのだよ。」
「後悔させたい、と?そういうことか?真太郎。」
カチャリ、と眼鏡を指で直し、緑間は赤司の目を射抜くように見た。怒りで燃え上がる目は、いつも冷静だった時には考えられないくらいの熱を灯していた。
「ああ。」
「……その話、俺ものるわ。我慢できそうにねぇしな。」
「そうか。では俺ものろう。俺も煮え切らない怒りをためているからね。」
「黄瀬、お前はどうするのだよ。」
「俺は………」
(黒子っちは俺を裏切った。でも、俺はまだ黒子っちを…………)
「……俺はいいっス。出来そうにないっスから。」
「そうか。別に無理にとは言わない。黒子と一番仲が良かったのはお前だからな。」
「黄瀬ちん……」
「敦。お前はどうする?もちろんのるよな?」
当然のように聞く赤司。もちろん、紫原が断るわけないと確信していた。
だが。
「……俺はいい。」
紫原は、それだけ言うと、お菓子の山を持ったまま屋上を出て行った。
「まぁ、アイツはいつもあんな感じだし、大体予想出来たけどな。」
「あ、ああ。そうだな。じゃあ、この話にのるかバスケ部のメンバーにも僕から聞いてみよう。」
(敦……?何故俺と違う選択を選んだ?俺はいつも、正しいのに……。)
赤司は平常を装いながら、屋上を出て行く紫原を見続けた。
(黒ちんを虐めるんだろうな〜?そんなことしたら、お菓子食べる時間が少なくなりそ〜。というか〜………
俺、黒ちんがアレやったって思ってないし〜)
だが、赤司は知らない。
いつも自分に逆らわなかった紫原が、いつも何を考えているかを。
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