アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
三人なら
-
僕が泣き終わった後、紫原君は彼なりに今までのいきさつを詳しく説明をしてくれました。
僕が気を失っていたところに出くわしたので助けてくれたこと、赤司君達が屋上で話していたこと、彼らは間違っていると思っていること、そして、紫原君は僕の味方だということ。
話した後、何度も何度も「ごめん」と謝ってくれました。どんなに止めても、ずっと、「ごめん」と──。
きっと、彼も悲しいのでしょう。自分の大切な人が間違った行為を続けているのが。そして、自分がそれを止められないのが。
この先には幸せなど待っていない。だから、自分が変えたい。僕のためにも、彼のためにも。
──紫原君は本当に赤司君が好きなんですね……
その思いがひしひしと伝わってきて、何も出来ていない自分が恥ずかしくなりました。
「僕も…変わらないといけませんね。」
声に出して、改めて固まった決意。二人と一緒なら、出来るでしょう。
「僕は変わります。逃げないで、きちんと前を向きます。」
「テっちゃん……」
「黒ちん……」
「二人とも…支えてくれますか?」
「「もちろん!!」」
「……ありがとうございます…。」
その後、少し明日の話をして、僕と高尾君は家に帰ることになりました。
時間も時間で、怒られると言って落ち込んでいる高尾君と、それを笑う紫原君。それに怒った高尾君が嫌味を言えば、二人で始まる口喧嘩。「仲が良いんですね」と言うと、口を揃えて「仲良くなんかない!」というものだから、おかしくて笑ってしまいました。
その後、なんとか二人の喧嘩を止め、家に帰りました。寝る支度を整えてベッドに転がると、二人から応援のメール。きっちりと返信し、アラームをかけます。
きっと、明日も楽しいものではないのでしょう。
でも、何故でしょう。
二人のことを思い出すと、不思議と恐くはないんです。
いつか、黄瀬君とも、こんな日々を……
そう願いながら、眠りにつきました。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 146