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僕
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自分への罰として数人の男子たちに抱かれたら、きっと、凄く痛いか、逆に感じてしまう自分に嫌悪できると思っていました。
けれど、実際は。
快楽も、痛みすら感じることができませんでした。
流れる時間、揺れる体、次々と入れ代わる人。それはまるで画面の向こうを見ているかのようで、僕はただ何も考えないまま数人の男たちに抱かれ続けました。
「あ、あぁ……ん、……ふっ……」
意識とは違うところで、妙に反応している自分がいて、僕の体は勝手に感じているようでした。確かに自分の体が跳ね、自分の口から嬌声が出ているのに、僕にはまるでそれが自分ではないように思えました。
「……っ…コイツ、ヤバすぎだろっ……!」
「こんなの抱いちまったら、女なんてもう抱けねーな。」
「おい、早く代われ…!こっちは切羽詰まってるんだよ!」
そんな会話をする男子たちをぼんやりと見つめながら、熱い液体が流れ込んでくるのを感じました。すると、すぐさまそれが抜かれ、別のモノが入ってきます。
──僕は何人もの男子たちに襲われている、僕は何人もの男子たちに襲われている……きたない、きたない………
頭の中でその言葉を復唱し、どれだけ自分がよごれているかを自分に知らしめようとしているのに。
何故?
何故、僕は何も感じないのでしょうか。
痛みも。
快楽も。
苦しみも。
悲しみも。
僕は、いつの間にこんなにも壊れていたのでしょう。
もう、笑うことも、泣くことも、怒ることも、全部が出来なくなるのでしょうか。
ずっと、このまま……感情のないままでいなければならないのでしょうか。
そう思っていると、頬を、顎を、首を、熱い何かが伝っていきました。ポタポタと足に落ちていくそれは、紛れもない、僕の涙。
──あぁ、そうか……
感情が無いわけではなく、僕は確かに今、悲しんでいました。ただ、それを僕が理解して受け止められていないだけで。
──僕は………
確かに僕は壊れてしまいました。
感情という大事な僕の一部が、僕にはわからなくなってしまいました。
しかし、無くなったわけではなかったのです。
ちゃんと、僕の体は悲しめていました。
いつ、僕に感情が解るのかはわかりません。
もしかしたら、もう戻らないのかもしれません。
でも──いや、だから。
ちゃんと受け止めよう。僕を。
きたないとか、疲れたとか、もう嫌だとか、逃げるだけではなくて。
僕がここにいるということを、受け入れよう。
君と刻んできた、軌跡のためにも。
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