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僕2
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そう思うと、途端に震え出す体。指先の体温が一気に下がり、歯がガチガチとなります。
僕は今恐がっているということくらい、すぐにわかりました。
「おい、コイツ今更震えてるぞ。」
「マジかよ。さっきまで気持ち良くなってたくせに?」
「ありえねー。」
「まぁ、そんなことスルーだけどなっ。」
「…おいっ……早く代われっ…!」
折角自分のことが理解できたのに、この現状を変えることは、ボロボロの僕にはできませんでした。
それでもどうにかしようと辺りを見回し、目に入ったのは自分の制服。そしてその中で小さく震える、携帯。着信は、きっと高尾君でしょう。
──どうにかして、あそこまで行ければ……!
そう思っていた時、タイミング良く、僕の中に入っていた人がイキ、交代なのでソレを引き抜かれました。今だ。そう思い、渾身の力で制服のところまでよろめきながら走りました。
「くっ……!」
「っ!おい!」
男子たちが、僕が逃げようとしているのだと勘違いし急いで追ってきたのですぐに捕まりましたが、なんとか制服のところまではたどり着きました。
気づかれないように結ばれていない手で電話に出ると、案の定高尾君が焦った声で「テっちゃん!」と叫んだのが聞こえました。
『テっちゃん!!無事?どこ!?』
──どこ?そういえば、ここはどこでしょう…倉庫……?
「あの、ここはどこでしょう……?」
「ここ?ここは、最近廃ビルになった誰も寄り付かないビルの中だ。逃げようなんて思うなよ?」
──え……何この人めっちゃ親切……
「高尾君…僕が連れ去られた場所分かりますか?」
バレないように、小さな声で高尾君に話しかけます。
『分かるよ。今その近くにいる。』
「そこから半径五キロ以内に最近廃ビルになったビルを探してください。見た感じですが僕たちと同い年くらいなので、移動範囲も限られるはずです。」
『分かった!死ぬ気で探すから!電話切らないでね!』
そう言うと、電話の向こうから自転車をこぐ音と紫原君の声が聞こえてきました。いつもだるそうにしかしていない紫原君の焦った声に、体が涙を流したのが分かりました。
──きっと、嬉しいのでしょう。
彼らは僕のために必死になってくれています。なら、僕も。僕も必死にならなければ。
そう思い、今までの無抵抗を止め、必死になって抵抗しました。しかし、ただでさえ人数的に不利な状況なのに、それに加えて力が全く入らず、僕の抵抗も虚しく次々と人が入れ替わります。もう三周はしたでしょうが、全く衰えない勢いに僕はほぼなすがままとなっていました。
なんとかならないかと後ろを振り向いた時、僕を犯している人間と共に視界に入ってきたもの。
「……あ、」
振り向かなければと後悔しても、もう遅かったのです。
僕の目には、卑しく揺れる僕の体が映っていました。淫らに腰を持ち上げ、相手が奥を突く度に揺れる、僕の体。
──嫌だ。
心の底から、そう思いました。
この姿を、見られたくない。高尾君に、紫原君に。
──軽蔑、されたくない。
僕の体を、頭を、全身を。
その思いだけが駆けめぐり、
気づいた時には、全てが壊れていました。
ずっと眠っていた、もう一人の感情。
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