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衝撃
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「ハァ!?赤司ぃ!?」
「高尾君、さっきから驚いてばかりですよね。まぁ、僕もですけど。」
冷静にツッコミを入れつつも、僕の頭ほ混乱していました。
──赤司君が二重人格かもしれないというのは、絶対にありえないことではありません。しかし、それならそれで、いつから……?
僕の疑問を見透かしたように、紫原君は説明を始めてくれました。
「最初に気づいたのは、峰ちんが覚醒して少したった頃だったよ〜。部活にあんまり来なくなった峰ちんを、赤ちんが呼びに行ったとき、俺も付いていったんだよね〜。まあ、結局峰ちんは連れてこれなかったんだけど。」
──連れてこれなかった……?
「…赤司君がですか……?」
「そ〜そ〜。」
馬鹿な。そんなはずは。だってあの、あの赤司君が…?青峰君も、いつも従っていたのに……
「赤ちんね〜、その時峰ちんに言われたんだよ。「いつか、お前らは俺についてこれなくなっちまう気がする。だから、俺はこれ以上強くならねぇ」ってさ。峰ちんはそれだけ言って帰っちゃったんだけど、赤ちんしばらくそこから動かなくて、ずっと、「駄目だ、駄目だ」って言ってて、その時雰囲気がおかしかったのが最初かな〜。」
「そんなことが……」
確かに、僕がまだ部活に来ていた頃も青峰君はだんだんと部活に参加していかなくなっていました。練習試合の時も、どこか寂しそうな、諦めたような……
『練習とかはすっげえダリィけど、強い奴と試合するために必要なら出てやる。一人で勝つのはつまんねぇけど、“俺たち”で勝つってのは最高だかんな!』
ふと、青峰君が昔笑いながら言っていた言葉を思い出しました。真っ直ぐで澄んだ目でそう言った青峰君は、僕を見て『テツもそうだろ?』と笑っていました。
だけど、今は。
強いと思える相手がいない。
“俺たち”でなくても──一人でも勝ててしまう。
それは、あまりにも………
赤司君は、そうやって青峰君が離れていってしまうのが受け入れられなかったのでしょう。
『仲間は一つになるほど強くなる。』
赤司君のその考えを否定してしまった青峰君。本当は、二人とも悲しくて仕方ないのでしょう。
「赤司君は、その後もおかしくなったりしたんですか?」
「そんなに多かったわけじゃないけど、何回かあったよ〜。最近は〜……」
「最近は?」
「ん〜……」
そのままお菓子を食べ始めた紫原君。まぁ、そんなに期待してはいませんでしたが。
「まぁそこは一回おいといてさ、要するに、赤司はテっちゃんみたいにはっきりじゃないけど二重人格の可能性があるってことだよね?」
沈黙に耐えきれなくなった高尾君が、話をスパっとまとめてくれました。先程までの驚きはなく、真剣に話す高尾君に、思わずこちらも真剣になりました。
「おそらくそうでしょう。詳しいことはまた今度話すとして、問題は……」
「黒ちんだよね〜。」
ようやくお菓子を食べ終わって、ベッドに顔をのせた紫原君が、眠そうな、ダルそうな顔で呟きました。どうせ、お菓子を買ってきたいのでしょう。てかなんで太らないのでしょうか。
「テっちゃんのは完全に二重人格みたいだからな。もし次俺らがいない時とか、他の奴らがいるところで人格が変わった時のために、何か対策をとらないとな。」
「そうですよね、もうひとつの人格の僕は、少なくとも僕よりは暴力性のある人格らしいので………どうしましょうか。」
結局いい考えは思いつかず、とりあえずできるだけ二人のどちらかと行動を共にするということで話は終わりました。
高尾君と紫原君は家に帰りましたが、僕は今日のところは病院に泊まることになりました。
でも、まさか。
あんなことが起こるなんて、
その時の僕は、
これっぽっちも思っていませんでした。
途中で更新してしまい、申し訳ありませんでした!
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