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報告6
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──あ、そうです。クロさんのことをはなさなければと思っていたんでした……
「あの、ちょっと聞いてほしいんですけど……」
「wwどしwwたwのwwwテwwwっちゃんwww」
「……。もう一つの人格の話です。」
笑いの止まらない高尾君は無視しながら話しをすることにしました。花宮さんたちには先程話した時に既に説明をしてありました。
「ああ、あの、自分とは思えないほどの力をもった人格のヤツか?」
「あれがどうかしたの〜?」
どう話した方がいいのか、正直迷いました。何しろ自分でも理解のできない、意識の外での出来事だったから。
それでも、話さないわけにはいかない。話さなければ、僕たちは前には進めないから。
それはきっと、いろんな意味で。
「……彼と、話しをしたんです。」
「テっちゃん、出来たんだ。」
ようやく笑いが収まった高尾君が、よかった、と僕の頭を撫でました。
「なんの話したの〜?」
「えっと、彼……クロさんと呼んでいるんですけど、クロさんはいつ生まれたのか、なぜあの時出てきたのか、どういう考えを持っているのか、僕とクロさんの関係は一体何なのかということなどです。」
思い出せば、結構良い話ができました。ずっと僕の中にいたのに、どうして彼があんなにも詳しかったのかは謎ですが。
「へえ。結構いろいろ聞けたんだな。よかったじゃねぇか。」
「そうですね。結果的にクロさんは僕たちに危害を加えるつもりはなく、僕を守ろうとしてくれるみたいです。」
「ある意味、一番心強い味方っちゅうことか。」
──やはり、一人で考えるよりみんなと考えた方が色々な発送ができますね。
そう思いながら、ふとクロさんの言っていた言葉を思い出しました。
《……あぁそうだ。ついでに言うが、どっちが表に出てる状態でも、やろうと思えば意思の疎通ができるはずだ。そうすれば、お前が表に出てるときに俺が話しかけることも、その逆もできる。》
──…まだ確実にできるとは限りませんし、この話は一度試してから言うことにしましょう。
とりあえず、今は。
「これ」だけで十分です。
この、目の前に広がる情景だけで。
………僕の、裏切らない仲間。
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