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作戦4
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僕が近づいても、そいつは気絶したままだった。別に気絶してても殴るけど、最初から気絶されたらつまらない。
そいつの頬をバチバチと叩いて、無理やり起こす。
「ぅ……ぅう…ぁ、……ひぃぃい……」
「……プッ……ハハ…」
目覚めた途端情けない声を出し始めたから、思わず笑ってしまった。
笑いが止まらないから、そのままそいつの腕を踏みつけた。力を入れれば入れるほど赤くなる腕がまた面白くて、さらに笑ってしまう。
「…っぁ……いぃ…すみません、すみません、許して…っ、あ……」
「くっ、アハハ…ハハハハハ」
ミシミシ、ミシミシ。
そんな音が大きくなってきたところで足を下ろした。腕は元々のものより2倍くらい晴れて赤くなっていた。
折れてるのかな?どうでもいいけど。
まあ、とりあえずは全員やり終わった。
でも、まだ僕の怒りは収まっていない。
コイツは腕しか怪我してないし、もっとやってもいいよね?
勝手に納得して、胸の丁度肋骨の辺りを踏みつけた。何度も何度も踏みつけて、グリグリと足をひねった。
──……うわ、口から泡が出てる…汚い…
でも、面白い。
そのままそいつを踏み続けていたら、クラスメートの男子達が僕を止めに走ってきた。まだ僕に勝てるとでも思っているのだろうか。女子はもう座り込んで泣いていた。
今さっきまで調子に乗って僕を笑っていた女子達が、僕を見て泣いている。僕が恐くて、泣いている。
それがなんか引っかかって見続けていたら、いつの間にか男子の一人に後ろから拘束された。続いて、横に二人。それで僕が動けなくなったと思ったのか、残りの奴らがいろんなところから殴ったり蹴ったりしてきた。
腹を。手を。顔を。足を。
でも、何故か痛くない。
怒りはだんだんと消えていった。
そのかわりに、頭の中がどんどんと冷えていく。
拘束していた奴らの足を思い切り踏んづける。バキッという音。折れたかな。あまりの痛さに手を離したから、するっと拘束から逃れた。僕を殴っていた奴らは勢い余って拘束していた奴らを殴っていた。
「アハハ、僕はここだよ。」
一番前で殴っていた奴の腹と顔を殴る。その次の奴は足と腕。その次の奴は胸。あ、ついでに顔。その次の奴は……
あれ?
どうしてだろう。
こんなに殴っているのに。蹴っているのに。
キセキのみんなを、黄瀬君を馬鹿にした奴らを殴っているのに。
なんだか、すごく淋しい。
サミシイ。
その淋しさから逃れるために殴って、殴り続けて、戻ってきた紫原君が慌てて止めに入ってきてもしばらくの間気づきませんでした。
「……ちん!黒ちん!何やってんのさ!!!黒ちん!!」
「離せ!離せよ!!」
──こいつらを見てると何だか淋しくなるんだ。淋しいのは、嫌なんだ。
「黒ちん!目ぇ覚ましなよ!!黒ちん!!!」
「っ………ぁ、むら、さき…ば…ら、君……」
やっと我に返り、最初に見えたのは泣きそうな紫原君。次に見えたのは、僕がしたコトでした。
教室の床は血だらけ。いろんなところに男子が倒れていて、体の至る所が赤く腫れていました。女子たちは教室の隅で座り込んで泣いています。
──違う。僕はこんなことをしたかったんじゃない。僕は、僕は僕は僕は僕は僕はボクは僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕ハ僕は僕は僕はぼくは僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕はボクは僕は………
「今日は帰ろう?黒ちん。」
僕は、みんなを守りたかったハズなのに。
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