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惟葉side
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黒子君と別れて、私はトボトボと自分の家に向かって歩いていた。
次の全校集会。
それが私の終わり。
緑間君と一緒にいられる、最後の日。
真実を知ったら、きっと彼は私に絶望する。
今まで黒子君に言っていた言葉を、今度は私に言うんだろうな。
きっと目も合わせてくれなくなる。
会話なんてもってのほか。
……転校するまでの辛抱でも、嫌だなぁ…
私が転校したら、彼は私のことを忘れちゃうのかな。
それとも、忘れられないほど嫌われるのかな。
自分で出した提案なのに、今更後悔し始めた。
家に帰る気なんて起きなくて、家の近くにあった公園に寄る。
ベンチに座って、なんとなくぼーっとする。
本当は何も考えたくないのに、頭はぐるぐると回転して思考を膨らませていく。
真実を言ったあとは、彼から離れなくちゃなぁ……
中途半端な対応はいけないよね。
私が避けなくても、彼から避けてくれるのかな。
……それも、嫌だなぁ…
ポツ、と何かが手に落ちてきて、なんだろうと思ったら私の涙だった。
泣く権利なんてないのに、止まらない。
「……っ、ぅう……ひっく………」
雨、降らないかな。
土砂降りのやつ。
そしたら、泣いても大声出してもバレないのに。
そんな私の思いを理解したみたいに、空から一粒、二粒と雨が降ってきて、次第に土砂降りになった。
通行人も、公園で遊んでいた子も、慌ててどこかに帰っていく。
たちまち私は一人になった。
誰もいなくなったから、もう声出してもいいよね?
「…っう、あぁ……ああぁぁぁあああ……ひっく…」
いっそ、感情なんてなくなればいいのに。
悲しいのも、苦しいのも、楽しいのも、嬉しいのも、
恋しいのも。全部。
「ぅうう、…やだぁぁああああ……」
なんかさっきから、やだしか言ってないな、私。
そんな私がまた嫌で、涙はまだ止まらない。
会いたい。
会いたい。
顔が見たい。声が聞きたい。手に触れたい。
……緑間君。
「…………………惟葉?」
「……………え?」
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