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タイミング2
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正直に言ってしまえば、早くバニラシェイク飲みながら帰りたい。
しかし、そうすると惟葉さんが緑間君によって質問攻めにあうのは必然。緑間君が好きな惟葉さん自らの口から真実をいうのは辛いでしょう。
まあ、かと言って僕が言っても信じないのでしょうけど。それに面倒なので言いたくありませんし。
なので、せめて一緒にいてフォローぐらいはしてあげようと先程から動かずにバニラシェイクを飲んでいたんですが。
──なんか、めっちゃ睨まれてるんですけど。緑間君に。
鋭い眼光で僕を睨む緑間君。それが先程の蹴りのせいなのか、それとも惟葉さんを騙していると思われているからなのか。おそらくどちらともでしょうが、気まずいことこの上ありません。
ちらっと惟葉さんを見ると、言わなければいけないのは知っているが言いたくないと言った顔で僕に助けを求めていました。
──ええー……マジですか。
え、これ僕が言うんですか?
マジで?
そう思いつつも、僕は仕方なく口を開きました。
「あの、緑間君。」
「……なんなのだよ。」
「…………」
──なんて言えばいいんでしょうか!?
話しかけたくせに何も言わない僕をさらに睨む緑間君。よし。もう当たって砕けましょう。
「とりあえず睨むのやめてください。」
あー、惟葉さんものすごく変な顔になってます。「何言っちゃってんのー!?」って顔してます。芸能人みたいです。
ツッコミそうになるのを堪え、淡々と言葉を紡ぐ。
「もう僕たち仲直りしたんで。」
仲直りって。今時の中学生男子が口にするでしょうか。いえ、少なくとも僕はしたことありませんよ。
「は?何を言っているのだよ。」
ほら。緑間君もですよ。顔まで「は?」って顔になってますよ。
「どちらとも悪かったんです。だから、ちゃんと話し合って仲直りしたんですよ。ね?惟葉さん。」
「??……ええ。」
流石に本当のことを全て言うのは気げ引けたので、微妙に嘘を混ぜて話していきます。
「詳しく言うと、僕が惟葉さんに告白したというのは嘘です。僕は黄瀬君一筋なので。惟葉さん緑間君、君のことが好きで、君に認められていた僕が気に入らなかったようです。彼女自身の過去のこともあり、僕に少し遠慮するように頼もうとしたら、僕と体育館裏でそのまま喧嘩になり、カッとなって自分で腕を切って僕を嵌めちゃったわけです。しかしその後すぐに反省して、謝りに来たんです。僕としてもいじめは早くやめて欲しいのて、仲直りしたというわけです。」
わ、僕めっちゃ天才じゃないですか。瞬時にこんな話を思いつくなんて。惟葉さんもポカーンとしてますよ。
緑間君といえば、今の言葉を理解しようとして、しかしやはり理解できずに否定しようとしたら「緑間君のことが好き」という部分を思い出して固まっています。わかりやすっ。
緑間君がうつむいたので、僕はそのうちに惟葉さんにgoodサインを送りました。「あとは任せた」と言う意味を込めて。
「では、僕はもう帰りますね。詳しい話は惟葉さんに聞いてください。」
「えっ、ちょ、黒子君……?」
惟葉さんの困惑の声はスルーし、そそくさと家に向かいます。その時既に僕の頭に惟葉さんたちは存在せず、高尾君と紫原君にどう知らせればいいのかを考えていました。
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