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今度は。3
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今吉さんと花宮さんより早くに着いたぼくたちは、とりあえず各自適当に飲み物を注文して(もちろん僕はバニラシェイクです。)入口の近くの見やすい場所に座りました。
「待ち合わせ時間までまだ十分ほどありますね。」
「ねぇねぇ、それなら何か食べていい〜?」
お腹をさすりながら聞いてきた紫原君は、相当お腹が空いているようです。
「別に大丈夫だと思いますよ。ただし、店内なので持参したお菓子とかはやめてくださいね?」
以前、店内で注意を受けたことを思い出して言うと、紫原君はお菓子を取り出しかけていたところでした。
「え〜。」
「こないだ注意受けたじゃないですか。僕まで怒られたアレ、結構恥ずかしかったんですよ?」
そういうと、紫原君はしぶしぶお菓子をしまい、カウンターへ何かを注文しに行きました。
しばらくして戻ってきた紫原君の手には、バーガーが三つと、ホットケーキの上にベリーがのったものが四つ。
「お菓子がよかった…」とか呟きながら席に座る紫原君。
──いやこれ、量多くないですか?
思わず固まっていると、視線に気づいた紫原君がバーガーをかじりながら一つバーガーを僕にくれました。
「ほくへつ〜(特別〜)。ひっほはへはよ(一個だけだよ)?」
どうやら僕の視線を僕が空腹なのと勘違いしたようで。
「え?いや、気遣いは感謝しますけど別に欲しいわけじゃありませんよ。存分に食べてください。」
「ほーはほ(そーなの)?ひゃあ、へんひょはふ〜(じゃあ、遠慮なく〜)。」
ガツガツ、ではなくモサモサと食べていく紫原君。一口が大きいからか、あっという間にバーガー二つが消滅しました。
そこに。
「なんや、めっさ食べとるのぉ。」
「まあ身長には見合ってるけどなぁ。」
上から降るように聞こえた声に見上げると、二人してニヤニヤした今吉さんと花宮さんがいました。
「お二人さん、待たせたのぉ。」
花宮さんが説得したのか、電話越しに感じた混乱は既になく、落ち着きを持っていました。
「じゃあ、とりあえず席替えますか?奥の方は、誰もいないみたいですよ。」
「だな。今吉、お前手前だからな。こないだバスケ負けた分、今日奢れよ?」
「ハァー。しゃーないなぁ。」
──……カップルですか。
ささやかなツッコミをしつつ奥の席に座り、紫原君が食べ終わったあと、やっと話が始まりました。
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