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奇襲
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今吉さんと花宮さんが捕まえた奴らの一人は、二人の精神的拷問によってペラペラと話してくれました。
どうやら高尾君は、僕に抵抗させないためだけに捕らえられたようで、彼自身に危害は加えないと知りホッと息をつきました。
その他にも、高尾君を捕まえてある場所、人数、首謀者についてなど、大体必要なことは全て聞き出せました。
「……ふう。なんや、拷問っておもろいのぉ。ハマりそうや。」
「俺も。天職に思えてきたぜ。」
ゾッとすることを話す二人は放って、僕は、紫原君と今後について話しだしました。
「でも、ここからだと少し遠いですね。」
「ちょっとね〜。でも、今まだ昼だし、だいじょーぶじゃない?」
「お二人さん、ワシらも会話に入れて欲しいんやけど。」
「それな。」
話の末、やはり今から行こうということになり、僕たちは最寄駅へと急ぎました。
「でも、向こうに着いたら十中八九殴り合いになると思うんですけど、今吉さんと花宮さん、ケンカとか大丈夫ですか?」
ふっと思ったことを聞いてみます。
紫原君は当たり前に強いし、僕も一応殴る蹴るは大丈夫です(一度クラスメイトをボコボコにしたこともありますしね)。
しかし、今吉さんと花宮さんは精神的攻撃は得意そうに見えますが、身体的攻撃をするイメージが全く浮かびません。
「やったことはねぇなぁ。でも、相手の攻撃をよけるついでに殴ったり蹴ったりすればいいんだろ?楽勝。」
「せやな。」
ニヤっと笑いながらそう答える二人に苦笑いしながら、僕は少し安心しました。
──それなら、僕も遠慮なしに暴れられそうですね。
電車に乗り、どうやって痛めつけようか話す二人に紫原君とため息をつき、乗り換えをして、そしてやっと僕たちはたどり着きました。
高尾君のいる倉庫へ。
ボロっボロの倉庫をイメージしていたので、結構新しい感じに少し驚きましたが、気を引き締めて近づきます。
「こういう場合はアレやろ、アレ。裏口から入って奇襲作戦やで。」
「そうだね〜。見張りとかめんどいのから潰していけるしね〜。」
今吉さんの提案通り裏口から入ることにし、まずは外で見張っていた(トランプをしていた)数人を今吉さんと紫原君が秒殺しました。
「なんや、こんなもんなんか。思っとったより弱いのぉ。」
「所詮チンピラだからね〜。」
裏口から入ると、少しホコリ臭い道の向こうから数人の話し声が聞こえました。窓があるところまで見張りを潰しながら歩いて覗くと、僕を襲った人たちとおそらく今回誘われて襲おうとしていた人たち、そして首謀者らしき人が話し合っていました。
そして、そこから少し離れたところには、柱に繋がれている高尾君。
「高尾君……」
「一、二、三、四、五………二十四人か。一人六人計算だな。ふはっ、チョロい。」
「いや、まだどっかにおるかもしれへんで?」
「それでも見張ってた奴らと同じくらいなら簡単だと思うよ〜。」
それぞれ思い思いの発言をし、顔を見合わせます。
「まずは高尾君の解放です。それは僕が行きます。」
「そしたら潰すんやろ?」
「花宮さん、俺と勝負しよ〜よ。」
「ふはっ、上等。」
「……ハァ。じゃあ行きますよ?」
ガチャ、と至って普通にドアを開け、なんでもないように足を踏み入れる。
仲間だと思ってちらっと見たら見たことない人、というかターゲットがいて驚いている奴ら。
「黒子クン!アレや!奇襲と言ったら堂々宣言やで!」
──ええ?宣言?ええっと………
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