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奇襲3
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「黒子クン最高や!www」
「腹ww痛てぇwwwふwwはっwww」
「やれって言ったの今吉さんじゃないですか!」
「どうでもいいけど、早く行かないと俺が全部終わらしちゃうよ〜?」
お腹を抱え転げまわる二人と、先に駆け出していく紫原君。僕は二人を冷たい目で見てから高尾君のところへと走りました。
「高尾君!!」
「テっちゃぁぁぁああああぁん!!!!」
何故だか泣き出した高尾君の拘束を解くと、すごい勢いで抱きつかれました。
「あ"いづらがぁ……テっぢゃんをどう襲うがどがずっと話じてでぇ、俺ぇ、何にもでぎないのがってぇぇええ……」
この後に及んで僕の心配ばかりする高尾君。一番危なかったのは、高尾君なのに。
高尾君の手首を見れば、擦り切れて血が滲んでいて。そうなるまで暴れてくれたのが嬉しくて、そして……
その原因となった奴らに途方も無い怒りを感じた。
「…高尾君は、ここにいてください。手首、あまり動かさない方がいいと思うので。」
「っう"ん、わかっだ…」
その返事を聞き取ると、世界記録になるんじゃないかというほどのスピードで奴らの元へと行き、まずは一番近くにいた奴の顔面にジャンプ→蹴りをくらわせた。
スタっと着地するのと、ドシャっと相手が倒れる音がシンクロする。
その素晴らしいほどの鮮やかさに、今やっと笑いが止まった今吉さんが拍手をくれた。
次の人は、回し蹴り。
何回か回って勢いをつけ、肺の高さのところに足をヒットさせる。アニメか漫画のように数メートル飛び、そのまま撃沈。
──次は……っと、前に僕を襲った人だ。
個人的恨みが少しあるので、とりあえず殴って倒し、通るついでに鳩尾を踏んづけてやった。
至って冷静に、躊躇なく。
その後も次々と、首謀者までの道のりにいる奴らを倒していく。
しかし、なかなかたどり着かない。
ざっと見ただけでも、明らかに三十人は超えてる。
増えている。確実に。
これは、増援を呼んだかな?
次々と蹴散らしながらそんなことを考える。
パッと見た限り、紫原君も今吉さんも花宮さんも心配はいらないようだ。後者の二人に限っては、楽しんでいるようにも見えた。
「なぁなぁ、自分、この話知っとる?ゴニョゴニョ……」
『ひぃぃぃいいいいぃぃ……』
「おやぁ?隙だらけやで、自分。」
バコォッ。
何やら怪しい話を話して戦意喪失させてから殴っている今吉さん。
──何話してるんですか?今吉さん……
『ひぃっ、もう許してくださいお願いですお願いですお願いです……』
「あぁ?どーしよっかなぁー。」
『もうしません。絶対しません。だから……』
「しゃあねぇ、許してやる……ワケねぇだろバァカ。ふはっ。」
ドゴッ。
少し見えかけた希望を再度粉々にするように殴る花宮さん。
──鬼ですね、花宮さん……
「………」
『ガッ、』
「………」
『グゥッ!』
「………」
『ゲホッ』
紫原君は、至極面倒臭そうな顔をしながらも圧倒的な強さで倒している。
僕は……
ガシャーン!
『ギャッ』
バキッ
『ヒイッ』
ドスッ
『ガハッ』
──…まあ、普通ですね。
「アカンよ、黒子クンが一番普通やないで。騙されたらアカンよ!」
「そんなことないですよ。ね?」
「怖いで!黒子クン顔!顔!」
まあそんなこと叫んでいる今吉さんは放っておいて。
また増援がきたらしく、戦っていた奴が一気に増えた。
一人一人は強くないけど、数が半端ない。
──これは、そろそろキツいですかね……
そう思っていると、表口の大きな扉がギィっと開いた。
まさか、また増援?
「いくらなんでも、多過ぎですよこれはっ……!」
『ウグッ』
ドアを見ると、逆光で顔は見えないもののかなりの人数が並んでいた。
紫原君もキツいと思ったのか、チッと小さく舌打ちが聞こえる。
──僕が、
僕が捕まれば、他の人たちは見逃してもらえるだろうか。
……いや、きっと無理でしょう。
見逃してもらうには、やり過ぎた。
観念するように、僕は目を閉じた……その時。
『突入!速やかに被害者を確保、鎮圧にかかれ!』
野太い声とともに入ってきたのは、なんと警察だった。
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