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奇襲4
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僕たちが唖然として動けないでいると、その間に警察によって奴らが次々と捕まっていく。
「…何が、起こってるんやろか…?」
「こいつら……警察だよな?」
「俺たちの目がおかしくなければ警察だと思うよ〜。黒ちん、通報とかした?」
「いえ、高尾君に何かあってはいけないので、してません。」
誰も覚えがない。
では誰が?どうやって?
僕たちがさっぱりわからないでいると、ドアの方から警察と一緒に一人の女の子が走ってきた。
「あの、私です!!」
その声は、随分最近に聞いたことのある声。電話越しだったけれど、確かにそれと同じ声。
「君は、あの時電話してくれた……?」
「あ!!逆ナンの子!通報してくれたの?」
警察に保護されかけていた高尾君が嬉しそうに走ってきてそう言った。
逆ナンで知り合ったんですか……
そう思っていると、女の子が説明してくれました。
「私あの時思わず写真撮ってて、そこにあの車のナンバープレートが写ってたの。それで警察に話したら、どうやら車の持ち主が犯罪の常習犯だったみたいで。」
偶然。本当にたまたま。
そのたまたまが、僕たちを救ってくれたのでした。
僕を襲い、高尾君を捕まえた奴らはレイプや暴力沙汰の常習犯らしく、今回ので懲役数年の刑をくらいました。さらに、法律かなにかにより今後僕らに近づいてはいけないという決まりも下されました。
警察の人に何個か質問もされ、解放されて外に出ると、とっくに日も暮れていました。
「さらにここから電車も乗り継ぐんだよなぁ……あー、だりー。」
「俺と黒ちんは電車降りて歩いたらすぐ家だけど、今吉さんと花宮さんは少し遠いんじゃないの〜?」
「せやなぁ…ちと遠いなぁ……ハハ。」
かなり動いたあとでもあり、きっと相当疲れが溜まっているのでしょう。今吉さんの笑いに疲れが出ていました。
「……なら、今日は僕の家に泊まりますか?」
僕のその提案に、二人はもちろん何故か家の近い紫原君も食いつきました。
「ええんか?」
「まじ助かるー…」
「えー、二人ともずるい〜。俺も泊まりたい〜。」
「今日は親もいませんし、二人も三人も一緒ですよ。」
「やった、黒ちんさいこ〜。じゃあ、コンビニでお菓子買っていっていい?」
疲れた雰囲気が一転、楽しそうなものになり、僕たちはいつもの活気を取り戻して家に帰りました。
食事も急だったので粗末なものでしたし、布団も干していなかったのでリビングのこたつで寝ることになりましたが、みんなかなり疲れていたので全く気にしませんでした。
ちなみに、僕は遠慮なくベッドを使いました。
翌朝、学校があるのに僕が起きるまで誰も起きず、今吉さんと花宮さんが慌てて帰ったのも面白かったです。
僕の寝癖を笑われたのはきっちりと拳でチャラにしました。
僕たちはというと、たまには遅刻もいいだろうということでのんびり仕度をして、のんびり紫原君の家に向かって、そこで紫原君がのんびり着替えて荷物を用意して、のんびり登校しました。
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