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事実3
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バン!!
勢い良く開いたドア。
そしてそこから入ってきたのは。
「…青峰君と、赤司君。」
無表情の二人。
思わず立ち上がると、「赤ちん……」と小さく呟いた紫原君も立ち上がりました。
「……お前は厄災だ、黒子。」
僕の目を射抜くように見ながら言い放つ赤司君。その目から伝わってくるのは、ただの怒り。
「厄災?何のことですか?」
話が分からない。それともこれは分かりたくないだけなのだろうか。
「テツ……いや黒子、テメェ惟葉になんかしただろ。」
赤司君に続くように言う青峰君。
彼らが僕のことを信じていないのは分かっていたこと。
分かっていたことなんです。
──なのに僕は。
僕は明らかに動揺していた。
咄嗟に紫原君が僕の前に出て隠してくれましたが、少し遅すぎた。動揺した僕を、赤司君が見逃すはずがなかった。
「敦、そこをどくんだ。」
「……どかない。」
「どけ。」
「やだ。」
紫原君の拳が強く握られているのが見える。
彼は今、どんな顔をしているのだろうか。
──僕はまた、逃げてる。紫原君の後ろに。
卑怯だ。逃げるな。
紫原君の前に出ようと足を踏み出そうとすると、廊下からけたたましい足音と共に緑間君と黄瀬君が入ってきた。
「赤司っち!」
「赤司!!」
彼らが次に言う言葉が自然とわかった。だけど、それはダメだ。
彼らはきっと、僕の無実を訴えるつもりだ。
でもそんなことしたら、惟葉さんは?
──ダメだ。
「黄瀬君!緑間君!」
急いで前に出て、二人の名前を呼んだ。ハッとしてこちらを見た二人は、僕の意図を察したように口を噤んでくれた。
ひとまず安心だが、僕の立場が更に悪化したのは必須だった。
「なるほど、先程涼太と真太郎が僕を止めようとしたのはこういうことだったわけだな。黒子、どうやって二人をたぶらかした?」
案の定赤司君は憎々しげにそう零した。
「僕はたぶらかしてなんかいません。」
一応そう主張したが、信じてくれることなどありえない。
「話にならないな。まあ、お前の主張などどうでもいい。」
大輝、と小さく呟く赤司君。その瞬間、相変わらず無表情な青峰君がこちらに走りながら右手を振り上げた。
「っ!黒ちん!」
紫原君の叫びを聞きながら左手で青峰君の拳を受け止めた。僕が反応できるとは思っていなかったのだろう、青峰君が少し驚いた顔をした。
しかしそれもつかの間。青峰君の攻撃はまたすぐに再開した。
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