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金曜日4
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「テっちゃぁぁぁぁぁあん!!」
花宮さんの家に入ると、僕の匂いを嗅ぎつけたのか高尾君が全力疾走してきました。
それはもう抱きつくような勢いで。
「抱きついてきたら殴ります。」
そう言うと、急ブレーキと共に僕の目の前で止まる高尾君。
「おかえり!」
「ただいま帰りました。」
すると、僕の後ろから紫原君がひょっこりと顔を出しました。といっても、もともと僕より背が大きいのでずいっと前に出たようなものでした。
「高ちん、俺は〜?」
「…は?(怒)」
そのまま口論を始める二人は放っておいて、僕は部屋に荷物を置きに行きました。再度戻った時には二人は口論を止めていて、花宮さんと今吉さんもいました。
円形のテーブルに座っていた四人は、何かトランプをしながらこちらを見てきました。
「花宮さん、今吉さん、お帰りなさい。」
「テツヤか。ただいま。」
「ただいま~。」
四人が座っているテーブルに座り、トランプゲームに混ぜてもらいながら今日の報告をします。
「黒子クン、今日はどんなんやった?」
「そうですね、面白いほど何もなかったですよ。」
「黒ちんはいつも通り目を開けたまま寝てたしね~。」
「テっちゃんすごいwwwww」
「そうでもないですよ。」
そのまま何ゲームかしながら会話を続け、花宮さんの「部屋に行かないか」という誘いで今吉さんの部屋に行くことになりました。
部屋に着き、最後に部屋に入った花宮さんが鍵をしっかりと掛けます。それを見届けた今吉さんが「お疲れさん。」と声をかけました。
「あ、そういえば鍵をかければ大丈夫なんでしたっけ。」
「花宮さんも大変だね〜。」
「お疲れ様ですww」
「ホント、マジでかったりぃ……わけねぇだろバァカ。こんなの楽勝だっつうの。」
と言いつつも頭をガシガシと掻きため息をつく花宮さんに、本当は疲れているんだなと誰もが思いました。
「明日と明後日は休みですので、ゆっくりできるんじゃないんですか?」
「あー……親と食事があるな。」
「ホンマ大変やなぁ。」
愚痴を零しながら眠り出した花宮さんは今吉さんが面倒を見るというので、僕たちは各自の部屋に戻りました。
「テっちゃんテっちゃん。」
「はい?」
部屋の中でベッドに座っていると、やけに楽しそうな高尾君がやたらとうきうきしながらとんでもないことを言いました。
「今吉さん、花宮さんとナニしてんだろーね。」
〝ナニしてんだろーね。〟
その言葉の意味に顔に熱が集まるのがわかり、僕は高尾君と反対方向を向きました。
「気になるなら見てきたらどうですか?僕は軽蔑しますけど。」
「うーそ嘘嘘嘘だって!!wてゆーか見に行けるわけないじゃん!花宮さんに殺されるよww」
ちらりと高尾君を見ます。きっと冷たい目になってしまっていますが、それはもう仕方ありませんでした。
「……見に行けるなら見たいんですか?」
「もち。」
「最低ですね。」
それから晩御飯の後まで、僕は高尾君と一切口を聞きませんでした。
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