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「ズビッ…グスッ……う、う、…くぅううぅrrrrrろこっちぃいいいぃいい!!!」
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"……テっちゃぁぁぁああああああああん!!」
僕が目覚めたと大騒ぎした二人を、注意しようとやって来たナースの方が、担当の医師を呼んでくれました。
「黒子君、体調の方はどうかな?どこか痛いところとか、ある?」
少し白髪の混じった優しそうな男の医師の方は、僕にできるだけのストレスをかけないように優しくゆっくりと聞いてくれました。
高尾君と黄瀬君はナースの方に連れられて部屋の外へと出ていきました。
「言ってしまえば全身が痛いですけど、特に酷いところはありません。」
「君はもう少し怪我に注意しなさい。事故の傷の他にも沢山の傷や怪我があったよ?」
「すみません……」
しかし、優しそうに微笑む医師の方の顔に少し翳りができたのは、そのすぐあとでした。
「ところで黒子君、君は──」
「え……?」
「────」
この時僕は、黄瀬君と高尾君が外に出ていて本当によかったと思いました。
話が終わり、医師の方が部屋を出ると瞬間に二人が入ってきました。
「黒子っち!どうだったっスか!?」
「怪我の具合とかは!?ホントに大丈夫なの!?」
心配そうな顔でベッドに乗り上げてくる二人を牽制しながら、思わず苦笑しました。
「眠っていた間に怪我は治っていますし、歩けるだけの筋肉をつければすぐに退院出来るそうです。」
随分と長い間眠っていたようで足の筋肉はすっかり衰えているらしく、このままでは歩くのもままならないと伝えると、かなり驚かれました。
しかし、筋肉痛などを我慢すれば数日で元に戻れると話すと、すぐに元気を取り戻し、早速今からリハビリしようと言われました。
「無理です。最低でもあと一時間は動きません。」
「「なんで!?/っスか!?」」
「僕が起きなかった間のことを聞きたいからです。」
そういうと、かなりのショックを受けたような顔をしていた二人は、見る見るうちに晴れた顔をしました。
その後の黄瀬君と高尾君のちょくちょく語り手の変わる話により、赤司君の人格が戻ったことや、紫原君や花宮さん、今吉さん、伊東さんたちがかなりの頻度でお見舞いに来てくれていたこと、その後の惟葉さんや緑間君のこと、学校のことなど大体の状況は理解できました。
話が終わった頃には、二時間近く経っていました。
「……なるほど、大体のことは分かりました。」
「他に聞きたいこととかあるっスか?」
「いえ、おそらくもう大丈夫です。」
「ホント?ホントのホントのホントに?」
「いい加減うざいです。」
久しぶりのコントのような会話に安心しながら、僕たちは結局ギリギリまでわいわい話し合っていました。
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