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新年度になり、三条は大学3年生。
次男は中学3年生。
三男は保育園へ通うようになった。
それなのに大学は今年度は基本的にはオンライン授業のみと決め、新学期らしい事はなにもない。
だが、僅かに感染の波が減ってくれたのが細やかな喜びだ。
例え一喜一憂になったとしても。
「あの…、それ……」
『進級のプレゼント』
最早、見慣れたと言っても良いその箱。
それをカメラに見せながら、にっこりと微笑むのは恋人の長岡だ。
あぁ、今日も格好良い。
美人は3日で飽きるブスは3日で慣れる、なんて諺があるが、長岡の顔は飽きないし慣れない。
何度見ても良い。
どの角度から見ても良い。
「毎回思ってたんですけど、それ…正宗さんが使うじゃないですか…。
俺の進級のプレゼントになるんですか…?」
『使われんのは遥登だろ』
なるほど。
って、流されてはいけない。
アダルトグッズが進級のプレゼントの筈ないじゃないか。
絶対に楽しんでる。
顔が嬉しそうだ。
でも、その顔も格好良いから許してしまう。
「正宗さんは…その……そういうの使わないんですか、」
『オナホとか?』
「あ……はい」
『遥登のケツの気持ち良さに比べたら』
「わ、分かりましたからっ」
文字通り向かいの部屋にいる次男の気配に気を配りながら、慌てて言葉を遮った。
「ローター、とか…は。
沢山持ってますよね」
『使わねぇな。
気持ちい?』
「え……」
『いや、使った事ねぇからどんなかなって』
「…………そりゃ…きもち…ですけど。
あの、使った事ないって…その……入れたまま、入れるじゃないですか……」
『あぁ。
確かに。
あれは気持ちいな』
なんだか流されてる様な気がする。
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