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各国壁ドン事情 薄紅の国編2
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「壁ドン、ねぇ。それってそんなに良いものなのかしらぁ?」
素直にそう疑問を口にすれば、その場にいた美男美女はこぞって頷いて返してくる。
「それはもう、男女問わずあのシチュエーションには憧れるというものです」
「ええ。特に想い焦がれる方にして頂けたらと思うと、胸が高鳴ってしまいますわ」
言葉と共に送られてくる熱い視線を受け、王はもう一度首を傾げた。
「あらぁ、妾には判らないけれど、そういうものなのねぇ」
そう言ってから、王はもう一口果物を齧った。
美しい者に迫って追い詰めるのが楽しい、とかいう意見ならば理解できるのだが、迫られて喜ぶというのは、王にとっては全く未知の世界だ。世の中には、王が想像している以上に、追い詰められることを好む人間が多くいるらしい。
(上から目線で来られても怒りしか湧かないと思うのだけれど、判らないものねぇ)
しかし、いくら自分に理解できないからと言って、民の感性を否定するような王ではない。全く共感はできないが、そういうのが民の望みであるのか、と思った薄紅の王は、寝そべっていた身体を起こした。
突然起き上がった彼女に不思議そうな表情を浮かべる男女を見回してから、王の美しく白い指先が、壁ドンの話を持ち出した男を指した。
「貴方、少しそこにお座りなさい」
そこ、と王が示した場所は、寝台脇の絨毯の上だった。
指示を受けた男は、戸惑いつつも従順にそこへ座る。大人しく指示に従った彼に満足そうな顔をしてから、王は食べかけの果実を隣の女に預けた。そして、自身も寝台を降りて、座ったままこちらを見上げてくる男の前に立つ。
「ランファ様?」
「どうなさったのですか?」
背にかかる幾つかの声にひらりと手を振って応えてから、困惑しながら見上げてくる男の顔を見つめる。そして王は、すっと片脚を持ち上げ、男の肩にそのつま先をかけた。
「え、ランファ様、」
男の困惑を置き去りに、足にぐっと力を籠めた王は、そのまま踏みつけるようにして、男を床に押し倒した。
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