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各国壁ドン事情 おまけ4
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「フローライン王、お主、これで満足が行ったか?」
疲れと呆れが混じった銀の王がそう言えば、白の王はふんわりと微笑んで頷いた。
「はい。あらかたの事情は把握いたしました。皆さま、ご協力ありがとうございます。二度目の危険性が無い事案のようで、安心いたしました」
そう言った白の王に、進行役である萌木の王も頷き、各王を見回した。
「それでは、これで今回の円卓会議は閉会、ということでよろしいかな?」
沈黙の肯定を受けて萌木の王が会議終了の宣言をし、それを合図に王たちが椅子から立ち上がる。さっさと場を後にしようとする者、王同士で軽く会話を交わす者と、動向は様々であるが、橙の王と話をしていた黄の王が、ふとこう言った。
「いや~、しかしあれっすよねぇ。ミゼルティア王って、グランデル王のこと毛嫌いしてる割に殆ど同じことやらかしてるし、実は思考回路がめちゃくちゃ同じなんじゃ、」
言い終える前に、高圧の水弾を背中に喰らった黄の王の身体が吹っ飛び、そこそこ痛そうな音を立てて壁にぶち当たった。一拍後、事態を把握した彼の従者が、目を剥いて黄の王に駆け寄っていく。ずるずると床に潰れた黄の王の姿はあまりにも哀れであったが、青の王の耳に届く大きさで発言したのは黄の王なので、残念ながら他の王は誰も同情しなかった。ちなみに、例によって例のごとく、ついでとばかりに赤の王にも水弾は飛んでいたのだが、こちらは赤の王の火霊魔法によって相殺された。
そんな見慣れた光景を眺めつつ、ひとつ欠伸をした黒の王が、後ろに控えている世話役を振り返った。
「ていうか、なんかみんな納得してる感じだったから言わなかったけど、別に俺、民の信頼だとかなんだとか難しいこと考えてないし、ただ細かい内容訊くのが面倒だっただけなんだけど……」
「大丈夫です。ヨアン様がそういう難しいことを考えられないことは知っています」
「そもそも、国民だってそんな難しいこと考えてる訳ないじゃんね。王様が興味なさそうだったらいちいち説明なんてしないでしょ。説明しろって要求もしてない訳だしさ。なんであの王様たち、そういう簡単なこと判らないんだろうね」
やっぱ馬鹿なのかな、という黒の王の言葉に、世話役はもう一度その拳を王の脳天に叩き込むのだった。
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