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2.金色の少年⑶
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「…白崎くん」
「くん、いらない」
なんて彼は真剣に言う。
僕は僕で何も言えなくなる。
─そんな親しくもない人をすぐ呼び捨て出来ない…
どうしたもんかと彼をそっと見上げると空が見える。
空の太陽の光が彼の存在を更に濃くしている。
反射して見える色は金色ではなく、白……
僕はその光に錯覚を覚え、勝手に口が動いていた。
「……しろ」
「…え?」
「シロ」
僕は気づいたら彼に手を伸ばしていた。
あの、綺麗な髪の毛に。
知らなかった。
自分がこんなにも積極的だったなんて。
気付いたときにはもう手遅れで、僕は彼の髪の毛に触れていた。
ふわふわしていて、まるで犬の毛みたい。
反射的に僕は手を引っ込めたが、彼がその手を掴んだ。
僕の手をぎゅっと力強く握り、まるで逃がさないと言っているようで。
…でも、不思議と痛くはなかった。
「…シロ、ね。うん、悪くない」
眩しくてよく見えなかったけど。
髪が、金色の髪が揺れる。
多分彼は笑ったのだ。
太陽の光が眩しくて、目を細めても彼の顔が霞んで見える。
それでも綺麗だと胸を張って思えたのは、彼の金髪が白に変わっていたから。
僕の瞳がほんのり熱を帯びているのは
…きっとそれのせいだ。
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