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髪
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俺の髪を滑る、剣ダコだらけのゴツい手。
髪全体を一通り撫で、ときおり毛先をく、と引っ張り梳く。
_…おかしい。
そう、冒頭でも言ったとおり、おかしいのだ。
ある日、キッチンのテーブルでレシピノートを広げ座っていると突然、何の用かは知らないが入ってきたゾロに、髪を撫でられた。
硬直している俺に構わず、一通りサラサラとやった後、気が済んだのか黙ってキッチンを出て行った。
バタン、という扉の閉まる音で我に返った俺は、さっきのゾロの行為を思い出し、頭に血が上る。
な…なんだったんだありゃ!?
なんだ?新手の嫌がらせか?
_…いや、でも嫌がらせにしては…
嫌がらせにしては、手つきが優しすぎる。
まるで、猫を撫でるような、そんな手つき。
ゾロのことは、まあそれなりに信頼しちゃいるが、顔を合わせればすぐ喧嘩するような仲だ。優しくされたことなんて皆無。
なのに、今のようなことをされちゃ…
…クソッ…なんだってんだ……
ギリ、と咥えている煙草を噛む。
もう、何が何だかわからない。
心が、乱される。
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