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忘れる
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気が付くと、朝だった。
どうやらあのままアクアリウムで寝てしまったらしい。
……飯、作らなきゃ…
俺はこの船のコックだ。やることはきちんとやらなければ、と気持ちを切り替えキッチンへ向かう。
幸いまだ誰も起きておらず、朝食には間に合いそうだ。
シンクを見ると、昨日俺が使っていたグラスなどが洗ってあった。
チクリ
と、胸が痛む。
だけど、ここは俺が泣く場所じゃない。仕事をしなければ。
急いで用意をし、オーブンからパンの焼けるいい匂いがしてきたら、
「サンジー!腹減ったー!!」
忙しい朝食の時間の始まりだ。
珍しくゾロが、時間通りにテーブルに着く。
どういう風の吹き回しだか知らないが、今の俺にとっては都合が良い。
2人きりにはなりたくない。
相変わらずチクリ、チクリという胸の痛みは収まらない。
それから俺は、ひたすら働いた。
早起きして朝食を作り、片付けをし、掃除、洗濯、女性達への給仕。
10時のおやつ、すぐに昼食の用意、また片付け。
わざと手のかかる3時のおやつを作り、ナミさんのミカン畑の水やり。そして夕食、夜食を作って次の朝食の仕込み。
睡眠時間はほとんどなかった。仮眠程度だ。
ゾロからは離れて毎日を過ごした。
そんな生活が2週間続いた。
倒れた。
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