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第一章
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店内のBGMがTOP SECRETでは定番のハイテンションな音楽に変わると、九番テーブルのお客は期待と優越感で胸を踊らせる。
「「なんとこんなっ(ハイ)素敵な(ハイ)姫から(ハイ)シャンパン(シャンパン)
今夜は(ハイ)素敵な(ハイ)姫に(ハイ)シャンパンコール(シャンパンコール)
オレ達と姫とのSECRETなシャンパンコール
愛を込めて贈るぜっ いーくーぞーっ!(ハイ)」」
シャンパンコールはホストクラブにとって一番の見せ所。
シャンパンコールをリードしていくマイクパフォーマーがマイクを持ち、マイクパフォーマーに合いの手を入れるのは他のホスト達。
全ホストに囲まれて派手なマイクパフォーマンスに酒と一緒に溺れていくのだ。
そして、シャンパンをグラスに少量ずつ入れた物はホスト達が、グラスに適量入れられた物はお客が、残ったシャンパンはボトルごと指名されているホストが各々持ちイッキコールの中みんな一斉に飲み干す。
ボトルを持っているホストがシャンパンを飲み干すと、マイクパフォーマーがマイクを握り締めた。
「それではっ!素敵な姫より一言頂きたいと思いまーす!今の(ハイ)気持ちを(ハイ)聞かせてくれよっ!」
音楽が一時停止された中、マイクを向けられたお客は楽しそうに叫ぶ。
「迅鵺(としや)サイコーッ!!二十歳の誕生日おめでとーっ!!」
お客が言い終えると音楽は再開して、次は迅鵺へとマイクが向けられる。
「愛花(あいか)アリガトーッ!お前はサイコーにイイ女だぜ!」
迅鵺の“サイコーにイイ女”というセリフをマイクパフォーマーに拾われて、サイコーにイイ女コールが始まる。
そうして優越感に酔いしれたお客は、続けてシャンパンを入れた。
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