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第二章
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「おっ、迅鵺、おはよ。」
「────はよっす。」
いつも通り髪の毛をセットして、黒のスーツの下はラメが微かに入った黒いTシャツで少しラフに決めて、ストールとアクセサリーでコーディネートされた姿で出勤する迅鵺。
声をかけてきたのは響弥だった。
「お前がストールしてんの珍しいな。」
迅鵺はいつもはしないけれど、首に付いた痕を隠す為にストールを巻いていた。
軽く相槌を打ち、少し遠慮がちに口を開く。
「響弥さん、ちょっと話いいっすか?」
いつもと少し違った迅鵺の様子にすぐに気付いた響弥は、回りを見て他に出勤してきているホスト達が居ないスペースを見付けると歩き出した。
「ここでいいか?」
響弥は、煙草を加えたまま誰もいないテーブル席で立ち止まって迅鵺の返答を伺う。
迅鵺は頷いて向かい合うようにして二人は座った。
「───こんなこと話すの、ちょっと恥ずかしいんですけど、実は最近ストーカーされてるっぽいんすよ・・」
ホストクラブで働いていれば、ストーカーの一つや二つくらい珍しくもない話だ。
現に迅鵺も、今までに何度か経験がある。だが相談なんてした事はなかった。
そんな事は響弥だって分かっているし、迅鵺の負けず嫌いで気が強い性格も知っている。
そんな迅鵺から、珍しくもない普通の女の客にストーカーされたくらいで相談されるとは思わないのだろう。
響弥は煙草を灰皿に押し付けると、真剣な目線を迅鵺に向けた。
「────何された?お前のことだ、些細なことで相談なんてしねぇだろ。」
やっぱり響弥さんは頼りなる。
迅鵺は内心そう思いながら少しだけホッと安心した気持ちで頷くと詳細を話した。
あの男の事だけは伏せて。
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